
| 英文名 | Liberal Arts and Sciences Seminar C | |
|---|---|---|
| 科目概要 | 2026年度 後期/1単位 | |
| 授業対象 | 指定なし(M学部,ET学科,PT専攻,ST専攻,OV専攻,FR学部を除く) 月2/ [自由]M学部 月2/ [自由]ET学科 月2/ [自由]PT専攻 月2/ [自由]ST専攻 月2/ [自由]OV専攻 月2/ [自由]FR学部 月2 | |
| 科目責任者 | 高野 保真 | |
| 担当者 | 高野 保真※ | |
| 備考 | 科目ナンバリング:L102-ME03/授業形態:演習 |
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本講義では、コンピュータサイエンスの基礎である「アルゴリズム」と、社会や自然界における意思決定を数理的に分析する「ゲーム理論」について学びます。 前半のアルゴリズムパートでは、手順を論理的に組み立てる力を養います。 後半のゲーム理論パートでは、実際のボードゲームやカードゲームを用いた演習を通して、他者との相互作用における最適な戦略を導き出す思考法を身につけます。これらを通じ、情報・経済分野のみならず、生物学的な生存戦略や社会現象を数理的な視点で捉える能力の獲得を目的とします。
各回は、オムニバス形式で、アルゴリズムとゲーム理論の各トピックについて浅く広く紹介します。
前半はアルゴリズム、後半はゲーム理論を扱います。座学だけでなく、実際に手を動かす演習やゲームプレイを通じて体験的に学習します。
1. アルゴリズムの基礎と応用: ソートや探索といった基礎に加え、生物の進化を模倣した「遺伝的アルゴリズム」について解説します。
2. ゲーム理論と戦略的思考: 「囚人のジレンマ」などの古典的な理論に加え、実際にゲーム(Can't Stop, インカの黄金など)をプレイし、確率・期待値・リスク管理・心理的な駆け引きを分析します。
3. 社会・経済・生物への応用: ゲーム理論が経済学や生物学でどのように使われているかを学びます。
【この授業は全て対面で実施します】
・演習中心の授業: スライドによる解説に加え、紙やカード、ボードゲームを用いた演習を行います。
・グループワーク: ゲーム理論のパートでは、受講生同士で対戦を行い、その結果をもとにディスカッションや分析を行います。
【フィードバックの方法】
・各課題に対して個別のメッセージという形でフィードバックを行います。
【授業時間外に必要な学習の時間:15時間】
予習:次回扱うゲームのルール説明資料や、アルゴリズムの概念に関する事前資料を読み、基本的なルールや仕組みを理解してくること。特にゲーム演習の回は、ルールの理解が不十分だと演習に参加できないため、入念な予習を求めます。各回30分程度の予習が必要です。
復習:授業で行ったゲームやアルゴリズムについて、なぜその戦略が有効だったのか、あるいはなぜ失敗したのかを考察し、リアクションペーパーやレポートにまとめること。各回30分程度の復習が必要です。
| 回 | 担当者 | 項目 | 内容 |
|---|---|---|---|
| 1 | 高野 保真 |
オリエンテーション・アルゴリズムとは | 授業の進め方と評価方法の説明。アルゴリズムとは何かを解説する。アルゴリズムを考える上で必要な構成要素について解説する。 |
| 2 | 高野 保真 |
データの整列(ソート)と効率 | バラバラの数字が書かれたカードを並べ替える演習を行う。 |
| 3 | 高野 保真 |
探索問題 | 膨大なデータから目的のものを探す「探索」について学ぶ。 |
| 4 | 高野 保真 |
ゲームのアルゴリズム | オセロや三目並べを題材に、コンピュータがどのように「先読み」をしているかを学ぶ。盤面の状態を樹形図(ゲーム木)として捉える考え方を理解する。 |
| 5 | 高野 保真 |
モンテカルロ法 | コンピュータで「デタラメな数(乱数)」を作り出し、それを利用して答えを求める「モンテカルロ法」を学ぶ。 |
| 6 | 高野 保真 |
遺伝的アルゴリズム | 生物の進化(交叉・突然変異・淘汰)を模倣して最適解を導く「遺伝的アルゴリズム」について学ぶ。 |
| 7 | 高野 保真 |
中間まとめ・アルゴリズム演習 | 前半のアルゴリズム分野の総括およびレポート作成。論理的な手順を記述できるかを確認する。 |
| 8 | 高野 保真 |
ゲーム理論入門・囚人のジレンマ | ゲーム理論の基礎(利得行列、ナッシュ均衡)を学ぶ。「囚人のジレンマ」を用い、個人の合理的な判断が全体の不利益になる状況を理解する。 |
| 9 | 高野 保真 |
ゼロ和ゲームと混合戦略(オニールのゲーム) | 自分の得が相手の損になる「ゼロ和ゲーム」を学ぶ。トランプを用いた「オニールのゲーム」等をプレイし、確率的に行動を変える「混合戦略」の重要性を体験する。 |
| 10 | 高野 保真 |
確率とリスク管理(Can't Stop) | サイコロゲーム「Can't Stop」をプレイする。確率と期待値を計算し、「どこで止めるか(リスクテイク)」の意思決定と、運の要素をどうマネジメントするかを学ぶ。 |
| 11 | 高野 保真 |
不完全情報とチキンレース(インカの黄金) | 「インカの黄金」等のゲームを用い、相手の手札が見えない(不完全情報)状況での意思決定を学ぶ。「降りるか進むか」というチキンレース構造とサンクコスト(埋没費用)について考える。 |
| 12 | 高野 保真 |
進化ゲーム理論(タカ・ハト・ゲーム) | 動物の闘争行動をモデル化した「タカ・ハト・ゲーム」を学ぶ。進化的に安定な戦略(ESS)という概念を知り、生物界でなぜ無益な争いが避けられるのかを数理的に理解する。 |
| 13 | 高野 保真 |
社会・経済におけるゲーム理論 | オークション理論やマッチング理論など、ゲーム理論が実際の経済活動でどう使われているかを紹介する。 |
| 14 | 高野 保真 |
全体のまとめ・最終レポート作成 | 講義全体の総括。アルゴリズム的思考とゲーム理論的戦略を、自身の専門分野や日常生活にどう活かすかについてまとめる。 |
| 15 | 高野 保真 |
解説 | 講義全体の内容に対して、個別の質問に対応する。 |
・日常の課題を論理的な手順(アルゴリズム)として記述できる。
・利得行列を用いて状況を整理し、ナッシュ均衡などの概念を用いて分析できる。
・確率や期待値に基づいた合理的な意思決定ができるようになる。
・生物の行動や社会現象の背後にある数理的な構造を説明できる。
試験方法:その他 実施時期:試験期間外
授業回ごとの課題 (40%):毎回の演習への参加度、演習結果の記録、および考察の記述内容を評価します。
レポート (60%):中間・期末の計2回実施予定。や「身近な現象のアルゴリズム/ゲーム理論的分析」や「ゲームの必勝法(戦略)の考察」などを論理的に説明できているかを評価します。
※他人のレポートのコピーや、生成AIの出力そのままであると判断された場合は厳正に対処します。未提出の課題についても厳しく対処し、追加の課題などで単位を認定することはありません。
本講義は「演習」ですので、ただ座って話を聞くだけではなく、実際に頭と手を動かしてアルゴリズムについて考えたり、ゲームやパズルに取り組んでもらいます。「ゲーム」と聞くと遊びのように思えるかもしれませんが、勝つためには確率計算や相手の心理を読む論理的思考が不可欠です。 特に自然界の生存競争や進化の仕組みが、実は非常に数理的なルール(アルゴリズム)に基づいていることを実感してもらえるような内容にしています。
ベンチャー企業でマネージャー/プログラマとして働いていました。その経験を活かして、実社会でも使われるようなツールを使って実践的な内容を紹介できる内容にしたいと思っています。
| 種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 | 定価(円) |
|---|---|---|---|---|
| 教科書 | (なし) | |||
| 参考書 | 問題解決のための「アルゴリズム×数学」が基礎からしっかり身につく本 | 米田 優峻 (著) | 技術評論社 | 2,948円 |
| 参考書 | ゲーム理論入門の入門 | 鎌田 雄一郎 (著) | 岩波書店 | 880円 |
| 参考書 | ゲーム理論の〈裏口〉入門 ボードゲームで学ぶ戦略的思考法 | 野田 俊也 (著) | 講談社 | 1,980円 |
| 参考書 | ミクロ経済学 戦略的アプローチ | 梶井 厚志 (著), 松井 彰彦 (著) | 日本評論社 | 2,530円 |