Web Syllabus(講義概要)
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哲学の楽しみA(社会思想の倫理を哲学的に考える)
英文名 Philosophy A
科目概要 2026年度 前期/2単位
授業対象 指定なし 火1or火2
科目責任者 川本 隆
担当者 川本 隆
備考 科目ナンバリング:L101-HC01/授業形態:講義

授業の目的

哲学の一番の特徴は、とことんまで考え抜くという点にあると言えます。従って、哲学は、私たちが普段の生活において問題とすることのないことを考察の対象とすることになります。ここでは社会思想を哲学的に考えてゆきます。「社会の正しい在り方とは何か?」この問いをめぐって、現代社会ではさまざまな価値観が交錯しているのはたしかですが、今ある日本の「民主主義が一番良い」などとは簡単に言えないでしょう。では、どのような未来をめざすべきなのでしょう。本講義では、社会の在り方をめぐる思想を様々な角度から哲学的に考えてゆきます。

教育内容

まず、哲学の重要なテーマを毎回一つずつ取り上げ、それについて解説します。理解度を確かめるために、毎回、授業内容に関するコメント課題を課しますので、自分なりの考察を深めていってください。なんとなく思うだけでなく、論理的に筋道の通った自分の意見を形成することをめざします。

教育方法

【この授業は全て対面で実施します】
講義では、教科書は使用せず、必要に応じてプリントを配布します。主にパワーポイントを用い、AV機器を利用します。講義後にコメント課題(授業日翌日締切)が出ますので、授業内容に関して自分の意見を形にしてください。一方向的な講義にならないよう、次の授業で内容の確認を行います(場合によっては質問を皆さんに投げかけます)。理解度の確認については、定期的にチェックテスト(小テスト)を行います。
【フィードバックの方法】
提出されたコメントに対し、次の講義で講評・質疑を行います。

準備学修(予習・復習)

【講義時間外に必要な学習の時間:60時間】
予習:下記に挙げた参考書や、講義に関連のある哲学の本(適宜、紹介します)を読んでおく。
復習:ノートや配布資料を参考に、その日のテーマについて再度自分で思考をめぐらし、自分の考えをまとめておく。

授業内容(シラバス)

担当者 項目 内容
1 川本 隆
ガイダンス
講義の目標、講義の内容、講義の進め方、評価方法などについて説明します。哲学についての導入的な話をします。
2 川本 隆
カントの道徳哲学:義務倫理にもとづく動機説
カントは生きることを権利といわず、義務といいます。なぜでしょう。厳格な義務倫理は一見近づきにくいですが、多くは偏見にもとづくものです。誤解を正しながら等身大のカントに迫ります。
3 川本 隆
ベンサムの功利主義:幸福量の最大化
「功利主義」という言葉は「公益主義」といったほうが正確です。しかし、幸福量を計算するとはどういうことでしょう。ベンサムの問題関心に合わせて考えます。
4 川本 隆
リベラリズム思想1:ロールズの『正義論』 米ソの冷戦時代、自由を求めるアメリカでロールズの『正義論』は衝撃をもって迎えられました。「平等な自由」という言葉が形容矛盾であることを踏まえながら、なぜこの思想が注目を集めたのかを明らかにします。
5 川本 隆
リベラリズム思想2:ロールズ思想の転換 『正義論』を著したのち後期になるとロールズは方向転換をします。正義論を捨てたわけではないにしても、多元化する社会に合わせた内容に変えていきます。これがプラスなのかマイナスなのかを考えます。
6 川本 隆
リベラリズム思想3:センのケイパビリティ・アプローチ ロールズの『正義論』には「もっとも不遇な人たち」への配慮があるものの、インドに生まれたセンの目には不十分と映ったようです。リベラリズムの経済学者でありながら、きめ細かな配慮があることは注目です。
7 川本 隆
リバタリアニズム思想:ノージックの最小国家論
個人の自由を最大化するために、どのような権利が認められるべきか。ロールズからセンへという方向とは別のベクトルで思想を発展させたノージックの議論の良し悪しを検討します。
8 川本 隆
コミュニタリアニズム思想1:サンデルの共通善
ロールズのリベラリズムに反旗を翻したサンデルのコミュニタリアニズムは、共同体にアリストテレスの徳倫理を復活させるものです。その延長にある共通善の思想を見てゆきます。
9 川本 隆
コミュニタリアニズム思想2:マッキンタイアと美徳
サンデルに先立つマッキンタイアの『美徳なき時代』は、ロールズとノージックをターゲットにした、道徳言語の概念史的研究ともいえます。近代から現代への移り行きで、なぜわれわれは徳を見失ったのか、をみてゆきます
10 川本 隆
コミュニタリアニズム思想3:マッキンタイアのアリストテレス理解 サンデルおよびマッキンタイアの思想の根底にあるアリストテレスの徳倫理ですが、後期のマッキンタイアはアリストテレスの徳倫理を十分に理解していなかったと反省を加えます。頭の中の理屈だけでは届かない、身体性を哲学的に見直します。
11 川本 隆
世代間倫理の思想:ヨナスの責任倫理
「乳飲み子」を気遣うこと、最悪の事態を想定することの意義とは何か。ヨナスの世代間倫理の着想を読み解いていきます。
12 川本 隆
ケア倫理の思想:ギリガンの「もう一つの声」
フェミニストにしてケア倫理を説いたギリガンですが、彼女の事例を男女間の優劣関係に還元してしまうのは少々偏っています。「もう一つ」といわれるその内実を的確に把握していきます。
13 川本 隆
コスモポリタニズムの思想1:ストア学派からカントへ 国際化する社会の中で、地域性に密着するだけでは不十分と考える傾向がコスモポリタニズムにあります。ストア派とカントの世界市民とを結ぶ彼らの基本思想を確認していきます。
14 川本 隆
コスモポリタニズムの思想2:ポッゲとヌスバウム
ポッゲとヌスバウムの思想を取り上げ、コスモポリタニズムの多様性について考察していきます。
15 川本 隆
まとめ
これまでの講義の総括をします。
No. 1
担当者
川本 隆
項目
ガイダンス
内容
講義の目標、講義の内容、講義の進め方、評価方法などについて説明します。哲学についての導入的な話をします。
No. 2
担当者
川本 隆
項目
カントの道徳哲学:義務倫理にもとづく動機説
内容
カントは生きることを権利といわず、義務といいます。なぜでしょう。厳格な義務倫理は一見近づきにくいですが、多くは偏見にもとづくものです。誤解を正しながら等身大のカントに迫ります。
No. 3
担当者
川本 隆
項目
ベンサムの功利主義:幸福量の最大化
内容
「功利主義」という言葉は「公益主義」といったほうが正確です。しかし、幸福量を計算するとはどういうことでしょう。ベンサムの問題関心に合わせて考えます。
No. 4
担当者
川本 隆
項目
リベラリズム思想1:ロールズの『正義論』
内容
米ソの冷戦時代、自由を求めるアメリカでロールズの『正義論』は衝撃をもって迎えられました。「平等な自由」という言葉が形容矛盾であることを踏まえながら、なぜこの思想が注目を集めたのかを明らかにします。
No. 5
担当者
川本 隆
項目
リベラリズム思想2:ロールズ思想の転換
内容
『正義論』を著したのち後期になるとロールズは方向転換をします。正義論を捨てたわけではないにしても、多元化する社会に合わせた内容に変えていきます。これがプラスなのかマイナスなのかを考えます。
No. 6
担当者
川本 隆
項目
リベラリズム思想3:センのケイパビリティ・アプローチ
内容
ロールズの『正義論』には「もっとも不遇な人たち」への配慮があるものの、インドに生まれたセンの目には不十分と映ったようです。リベラリズムの経済学者でありながら、きめ細かな配慮があることは注目です。
No. 7
担当者
川本 隆
項目
リバタリアニズム思想:ノージックの最小国家論
内容
個人の自由を最大化するために、どのような権利が認められるべきか。ロールズからセンへという方向とは別のベクトルで思想を発展させたノージックの議論の良し悪しを検討します。
No. 8
担当者
川本 隆
項目
コミュニタリアニズム思想1:サンデルの共通善
内容
ロールズのリベラリズムに反旗を翻したサンデルのコミュニタリアニズムは、共同体にアリストテレスの徳倫理を復活させるものです。その延長にある共通善の思想を見てゆきます。
No. 9
担当者
川本 隆
項目
コミュニタリアニズム思想2:マッキンタイアと美徳
内容
サンデルに先立つマッキンタイアの『美徳なき時代』は、ロールズとノージックをターゲットにした、道徳言語の概念史的研究ともいえます。近代から現代への移り行きで、なぜわれわれは徳を見失ったのか、をみてゆきます
No. 10
担当者
川本 隆
項目
コミュニタリアニズム思想3:マッキンタイアのアリストテレス理解
内容
サンデルおよびマッキンタイアの思想の根底にあるアリストテレスの徳倫理ですが、後期のマッキンタイアはアリストテレスの徳倫理を十分に理解していなかったと反省を加えます。頭の中の理屈だけでは届かない、身体性を哲学的に見直します。
No. 11
担当者
川本 隆
項目
世代間倫理の思想:ヨナスの責任倫理
内容
「乳飲み子」を気遣うこと、最悪の事態を想定することの意義とは何か。ヨナスの世代間倫理の着想を読み解いていきます。
No. 12
担当者
川本 隆
項目
ケア倫理の思想:ギリガンの「もう一つの声」
内容
フェミニストにしてケア倫理を説いたギリガンですが、彼女の事例を男女間の優劣関係に還元してしまうのは少々偏っています。「もう一つ」といわれるその内実を的確に把握していきます。
No. 13
担当者
川本 隆
項目
コスモポリタニズムの思想1:ストア学派からカントへ
内容
国際化する社会の中で、地域性に密着するだけでは不十分と考える傾向がコスモポリタニズムにあります。ストア派とカントの世界市民とを結ぶ彼らの基本思想を確認していきます。
No. 14
担当者
川本 隆
項目
コスモポリタニズムの思想2:ポッゲとヌスバウム
内容
ポッゲとヌスバウムの思想を取り上げ、コスモポリタニズムの多様性について考察していきます。
No. 15
担当者
川本 隆
項目
まとめ
内容
これまでの講義の総括をします。

到達目標

哲学の徹底的な思考法を体験することができる。
多元的な思考ができる。
他者の考えを柔軟に聞き、それに応答することができる。
他者に自分の見解をまとめ、わかりやすく説明することができる。

成績評価の方法と基準

試験方法:ペーパー試験(前半選択問題+後半論述問題) 。 実施時期:最終授業時間の60分間。
コメント課題(20%)、チェックテスト(20%)、期末試験(60%)。
全体の3分の2以上の出席者を成績評価の対象とします。

学生へのメッセージ(その他注意等)

積極的に講義に参加することを希望します。疑問点などがある場合はそのままにせず、コメントの形でもよいので積極的に質問をしてください。

教材

種別 書名 著者・編者 発行所 定価(円)
教科書 (なし)
参考書 (なし)
教科書
書名
著者・編者
発行所
定価(円)
参考書
書名
著者・編者

発行所

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参考書
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著者・編者

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参考書
書名

著者・編者

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