英文名 | Liberal Arts and Sciences Seminar C | |
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科目概要 | 2025年度 後期/1単位 | |
授業対象 | 指定なし(M学部,ET学科,PT専攻,ST専攻,OV専攻,FR学部を除く) 水2/ [自由]M学部 水2/ [自由]ET学科 水2/ [自由]PT専攻 水2/ [自由]ST専攻 水2/ [自由]OV専攻 水2/ [自由]FR学部 水2 | |
科目責任者 | 宮﨑 直 | |
担当者 | 宮﨑 直 | |
備考 | 科目ナンバリング:L102-ME03/授業形態:演習 |
対称性を記述するために生まれた「群」という数学的概念について学ぶ。対称性とは「ある変換をしても変化しない」という性質のことであり、対称性を持つ図形や事柄は興味深い性質を持つことが多い。この授業では、具体例を通して群論の初歩とその応用について学び、代数学的な物事の考え方を身に付けることを目標とする。
典型的な有限群の例である対称群と2 面体群の場合に限定して、群論の基本事項を学ぶ。また、その応用として、思い通りのあみだくじの描き方、平面図形の対称性の分類、代数方程式の解の公式などを学ぶ。
【この授業は全て対面で実施します】
授業の前半に板書による説明を行い、後半にそれに関する問題演習を行う。毎回、教科書代わりのプリントを配布するため、教科書を買う必要はない。また、授業時間内に問題演習が終わらなかった場合は宿題となる。
【フィードバックの方法】問題演習の答案は添削して返却する。
【講義時間外に必要な学習の時間:15時間】
予習:授業前に配布されたプリントやノートを見返して、前の授業で学んだ事を理解しておくこと。
復習:問題演習で間違えた部分は直して、その問題を必ず自分で解けるようにしておくこと。
回 | 担当者 | 項目 | 内容 |
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1 | 宮﨑 直 | ガイダンス | 授業の内容と進め方を説明する。また、集合の定義と記号を紹介する。 |
2 | 宮﨑 直 | 置換とあみだくじ | 置換という概念を定義し、置換とあみだくじの関係を説明する。 |
3 | 宮﨑 直 | 思い通りのあみだくじの描き方 | 置換を隣接互換の積に分解する方法を紹介し、それを用いて思い通りの並び替えをするあみだくじを描く。 |
4 | 宮﨑 直 | 2 変数の対称式 | 2 変数の対称式の定義と基本定理を紹介する。 |
5 | 宮﨑 直 | 3 変数の対称式 | 3 変数の対称式の定義と基本定理を紹介する。 |
6 | 宮﨑 直 | 群の定義 | 群という概念を定義し、その例として対称群と 2 面体群を紹介する。 |
7 | 宮﨑 直 | 部分群 | 部分群の定義と性質を紹介する。 |
8 | 宮﨑 直 | ハッセ図 | ハッセ図の描き方を説明する。また、4 次二面体群のハッセ図を描き、四角形の対称性を分類する。 |
9 | 宮﨑 直 | 複素数 | 複素数と複素平面の定義と複素数の極形式表示について説明する。 |
10 | 宮﨑 直 | 複素数の累乗根 | 極形式表示を用いて、複素数の累乗根について考察する。 |
11 | 宮﨑 直 | 解と係数の関係 | 一般の次数の代数方程式について、解と係数の関係を説明する。 |
12 | 宮﨑 直 | 対称群の作用と不変式 | 対称群の作用と不変式について説明する。 |
13 | 宮﨑 直 | 3 次方程式の解の公式 | 3 次方程式の解の公式を構成する。さらに、正規部分群の定義を説明する。 |
14 | 宮﨑 直 | 4 次方程式の解の公式 | 4 次方程式の解の公式を構成し、5 次方程式の解の公式がない理由を説明する。 |
15 | 宮﨑 直 | 個別指導 | 個別に授業内容の確認や指導を行う。 |
1.群論を用いて、対称性がどのように記述されるかを理解できる。
2.読み手を意識して、問題の解答を書くことができる。
試験方法:その他 実施時期:試験期間外
筆記試験は行わず、授業内で行う演習とレポート(80%)、授業態度(20%)で総合的に評価する。なお、欠席は減点する。
何かのデザインをしたり、パズルを解いたりするときに、私達は対称性を意識しています。対称性を理論的に扱うことのできる群論的な物の考え方は、様々な分野で役立つものだと思います。興味のある方は是非聴講して下さい。この授業は高校で数学 II・B を履修していることを前提として行います。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 | 定価(円) |
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教科書 | (なし) | |||
参考書 | 【完全版】天才ガロアの発想力 | 小島 寛之 | 技術評論社 | 1,958円 |