英文名 | Liberal Arts and Sciences Seminar B | |
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科目概要 | 2025年度 前期/1単位 | |
授業対象 | 指定なし(M学部,ET学科,PT専攻,ST専攻,OV専攻,FR学部を除く) 火2/ [自由]M学部 火2/ [自由]ET学科 火2/ [自由]PT専攻 火2/ [自由]ST専攻 火2/ [自由]OV専攻 火2/ [自由]FR学部 火2 | |
科目責任者 | 酒井 祐貴子 | |
担当者 | 酒井 祐貴子 | |
備考 | 科目ナンバリング:L102-ME02/授業形態:演習 |
「自分で理解したこと、自分で考えていることを、人にわかりやすく伝える」というスキルはどのような専門に進む人にとっても、社会に出てからも、非常に重要である。この授業では、整数論の初歩的な教材を用いて数学の基本的な考え方や証明方法を理解し、論理的な思考力を身につけると同時に、「自分で理解したことを、自分の言葉で人にわかりやすく伝える能力」の向上を目指す。人前で話す能力には個人差があるので、それぞれのレベルに合わせて少しでも能力が向上することを目指す。
既に親しみのあるピタゴラスの定理(三平方の定理)を再考することから始め、整数の最大公約数を求めるユークリッドの互除法、素数の無限性の証明、ペル方程式、フィボナッチ数、3 次方程式・4 次方程式の解法といった整数論の初歩的な内容をゼミ形式で学んでいく。
【この授業は全て対面で実施します】
事前に各学生に教科書の担当箇所を割り当て、個々の学生が自分の担当箇所を理解し、他の学生に向かって発表する(ゼミ形式)。適宜解説を加え、社会の中でどのように整数論が役立っているのかも紹介したい。
【フィードバックの方法】
【授業時間外に必要な学習の時間:15時間】
予習:発表者はもちろんのこと、その日の発表担当でない人も授業前準備としてテキストをしっかり読んでおく。わからない箇所があった場合はどこまで分かって、どこからわからないのかをはっきりとさせておく。発表者は教科書を持たずに発表ができるよう、該当箇所をよく読み、適宜情報収集をした上で、十分に時間をかけ万全の準備をして発表に臨むこと。
復習:その日の発表でわからない箇所があった場合は、発表者や教員に質問するなど、理解に努めること。
回 | 担当者 | 項目 | 内容 |
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1 | 酒井 祐貴子 | ガイダンス | 整数論とはどういうものか、セミナー発表による授業の進め方、教科書の選定 |
2 | 酒井 祐貴子 | ピタゴラスの定理とピタゴラス数 | ピタゴラスの定理の証明、ピタゴラスとプラトンによるピタゴラス数、「原論」に見られるピタゴラス数 |
3 | 酒井 祐貴子 | ユークリッドの互除法 | 素因数分解、最大公約数、ユークリッドの互助法 |
4 | 酒井 祐貴子 | 整数論の基本定理 | 整数論の基本定理、最小公倍数 |
5 | 酒井 祐貴子 | 素数の無限性・完全数 | エラトステネスの篩、素数の無限性の証明、完全数、メルセンヌ素数 |
6 | 酒井 祐貴子 | 平方根と無理数・平方根の分数近似 | 有理数、無理数、平方根、ヘロンによる平方根の分数近似、連分数による平方根の分数近似 |
7 | 酒井 祐貴子 | ペル方程式とディオファントス | ペル方程式、アルキメデスの家畜問題 |
8 | 酒井 祐貴子 | フィボナッチ数とその約数(1) | フィボナッチ数列、フィボナッチ数に関連する定理(1) |
9 | 酒井 祐貴子 | フィボナッチ数とその約数(2) | フィボナッチ数に関連する定理(2) |
10 | 酒井 祐貴子 | 黄金分割とフィボナッチ数・フィボナッチ数と連分数 | 黄金分割、黄金比とフィボナッチ数 |
11 | 酒井 祐貴子 | ルネッサンス時代の数学とフェルマー | 3 次方程式の解法、4 次方程式の解法、数学者フェルマー |
12 | 酒井 祐貴子 | 合同式 | 合同、同値関係、ライプニッツの公式 |
13 | 酒井 祐貴子 | メルセンヌ素数とフェルマーの小定理 | フェルマーの小定理、フェルマー数 |
14 | 酒井 祐貴子 | ウィルソンの定理 | ウィルソンの定理 |
15 | 酒井 祐貴子 | 解説と確認 | 全体の総括 |
自分の理解した事をまとめ、それを他人にわかりやすく説明することができるようになる。数学の基本的な考え方や証明方法の理解を通して論理的な思考力を身につける。
試験方法:なし 実施時期:なし
授業内での発表への取り組み・姿勢 (100%) で成績評価を行う。
(ゼミ形式の授業の特性上、授業への遅刻や欠席では大幅な減点を行う。)
教科書の内容をそのまま板書したり、教科書に沿って説明すれば人に伝わるか、というと決してそうではありません。前もってテキストをしっかり読み、どのような発表をすれば人にわかりやすく伝わるか、工夫をしながら発表の準備をしてください。他の人が発表する時も、必ずテキストを一読してからゼミに臨むこと。学生同士が自由に質問できるようなゼミができればいいと思っています。みんなで協力し合いながら学んでいきましょう。整数論には説明するだけでも多くの専門的知識を必要とする問題がある一方、一般の人でも問題の内容は理解できるが未解決な問題も数多く存在します。歴史的な背景も踏まえながら数学の美しさ、楽しさを少しでも感じ取ってもらいたいと思います。
注意事項
教科書は第 1 回目の授業を受講した後に用意してください。1 回目の授業を欠席した人の受講は原則として認めません。教科書は変更する可能性もあります。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 | 定価(円) |
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教科書 | 初回授業時にアナウンスします。 | |||
参考書 | めくるめく数学。 | 嶽村智子、大山口菜津美、酒井祐貴子 | 明日香出版 | 1760 |