英文名 | Philosophy A | |
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科目概要 | 2025年度 前期/2単位 | |
授業対象 | 指定なし 火1or木2 | |
科目責任者 | 大石 敏広 | |
担当者 | 大石 敏広 | |
備考 | 科目ナンバリング:L101-HC01/授業形態:講義 |
哲学の一番の特徴は、とことんまで考え抜くという点にあると言えます。従って、哲学は、私たちが普段の生活において問題とすることのないことを考察の対象とすることになります。例えば、私たちはこの社会において他者と共に生きています。ここには特に何も問題はないように思われます。しかし、哲学は、「そもそも他者とは何なのか」、「他者は存在するのか」と問います。本講義では、哲学において問題となるテーマについて一緒に考察することを通して、とことん考え抜くという思考を体験してもらいます。それと同時に、哲学の意味について考えていきたいと思います。
まず、哲学の重要なテーマを毎回一つずつ取り上げ、それについて解説します。解説をしながら、理解度を確かめるために、立ち止まって考えをめぐらしてもらいます。次に、その問題について課題を与えますので、それについて各自考察してもらいます。最後に、討論の場を設けて、自己表現に挑戦してもらいます。
【この授業は全て対面で実施します】
講義では、教科書は使用せず、必要に応じてプリントを配布します。主にパワーポイントを用い、AV機器を利用します。講義において課題ワークを行い、できるだけディスカッションなどの機会を設ける予定です。一方向的な講義ではなく、双方向的な講義を行ないます。
【フィードバックの方法】
ワークについて講義内で皆で議論をし、次の講義の最初で解説をします。
【講義時間外に必要な学習の時間:60時間】
予習:下記に挙げた参考書や、講義に関連のある哲学の本を読んでおく。
復習:ノートやプリントを参考に、その日のテーマについて再度自分で思考をめぐらし、自分の考えをまとめておく。
回 | 担当者 | 項目 | 内容 |
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1 | 大石 敏広 | ガイダンス | 講義の目標、講義の内容、講義の進め方、評価方法などについて説明します。哲学についての導入的な話をします。 |
2 | 大石 敏広 | 外界の知識 | 外界は存在するのでしょうか。私たちの周りの世界について、何をどのようにして知ることができるのかについて考えます。 |
3 | 大石 敏広 | 他者の心 | 他人は本当は、ロボットではないのか。他者の心・意識とは何か、他者の心・意識は存在するのかについて考えます。 |
4 | 大石 敏広 | 心身問題 | 私たちの心・精神と身体は別々のものなのか、一体のものなのか、私たちの心・精神と身体はどのような関係にあるのかについて考えます。 |
5 | 大石 敏広 | 私の存在 | 「私」と呼べる存在者は、世界に一人しかいないのでは? 私とは誰なのか、私とは何なのかについて考えます。 |
6 | 大石 敏広 | 言葉の意味 | 言葉には本当は意味は存在しないのでは? 私たちが普段使っている言葉の意味とは何か、私たちはどのように言葉を使っているのかについて考えます。 |
7 | 大石 敏広 | 過去の存在 | 過去が存在したという証拠はあるのでしょうか。過去とは何か、過去は存在するのかについて考えます。 |
8 | 大石 敏広 | 意志の自由 | あなたは本当に、意志の自由を持っていますか。自由意志は存在するのか、自由意志に従って行為するとはどういうことかについて考えます。 |
9 | 大石 敏広 | 善悪の基準 | 「ならぬものは、ならぬ」? 善悪の客観的な基準は存在するのか、道徳的判断は道徳的行為を引き起こす動機となるのかについて考えます。 |
10 | 大石 敏広 | 正義とは何か | 法は正義? 正義とは何か、ただ一つの正義が存在するのか、正しい不平等はあるのかについて考えます。 |
11 | 大石 敏広 | 人生の意味 | 人間はなぜ生きるのでしょうか。人生の意味・目的とは何か、私たちの人生そのものに意味はあるのかについて考えます。 |
12 | 大石 敏広 | 哲学特殊講義Ⅰ | 哲学の文献を読解しながら、その内容について皆で議論をします。 |
13 | 大石 敏広 | 哲学特殊講義Ⅱ | 哲学の文献を読解しながら、その内容について皆で議論をします。 |
14 | 大石 敏広 | 解説と討議 | これまで読解した哲学の文献についての質問に答えながら討議をする。 |
15 | 大石 敏広 | まとめ | これまでの講義の総括をします。 |
哲学の徹底的な思考法を体験することができる。
多元的な思考ができる。
自分の見解をまとめ、他者に伝えることができる。
他者と討論して、自分の見解を発展させることができる。
試験方法:なし 実施時期:
講義におけるワーク(50%)、最終課題ワーク(50%)、討論参加状況(+α)によって成績評価します。なお、欠席は減点となります。
ワークの評価は、課題の内容を理解して自分の考えを提示しているかどうかを基準とします。
積極的に講義に参加することを希望します。子供じみた意見だと躊躇しないでください。「子供はみな哲学者である」なお、疑問点などがある場合はそのままにせず、積極的に質問をしてください。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 | 定価(円) |
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教科書 | (なし) | |||
参考書 | 流れとよどみ | 大森荘蔵 | 産業図書 | 1944 |
参考書 | 翔太と猫のインサイトの夏休み――哲学的諸問題へのいざない―― | 永井均 | 筑摩書房 | 880 |
参考書 | 規則のパラドックスーー言語は無意味かーー | 大石敏広 | 晃洋書房 | 2268 |