英文名 | The World of Kitasato | |
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科目概要 | 2025年度 前期・後期/1単位 | |
授業対象 | 指定なし(P学部を除く) 金2 【前期】/ [必修]P学部 木2 【後期】 | |
科目責任者 | 市川 尊文 | |
担当者 | 砂塚 敏明/市川 尊文/大村 智/石多 正男/檀原 宏文※/森 孝之/岡 浩太郎/浅見 行弘/阿見彌 典子 | |
備考 | 科目ナンバリング:L101-IS01/授業形態:講義 |
1年次の皆さんが、これから4年間あるいは6年間を北里大学ですごし、それぞれの専門課程へ進むにあたり、生物界の一部としての人類を見つめ、サイエンスやテクノロジーとの調和を図りながら「生命に対する畏敬の念」を持つという視点から、科学に基づいて考え行動する力を養成するために、以下のことを目標とします。
1.近代日本医学の黎明期を支え、免疫動物の血清を用いた画期的な予防治療法を発見し、細菌学・免疫学の基礎を築いた学祖・北里柴三郎の事績や生きた時代、そこに込められた思い、さらに、北里の学統を継承し、2015年ノーベル生理学医学賞を受賞した大村智特別栄誉教授の研究業績や、本学における学部・大学院の最先端の研究内容などを知ることにより、医療従事者・研究者・教育者などを志す者として、人類に恩恵を与える生命科学・医学の進展とその制御の重要性を理解する。
2.大学の理念は、基礎研究や応用を通して社会貢献をすることである。しかし、最先端の科学は、時として人間による制御を越えて自己増殖する危険性をはらんでおり、大きな倫理的な問題も惹起する。研究倫理を遵守することや大学という最高学府で学ぶことの意義を理解し、今後の学習に対する目標やモチベーションを獲得する。
科学者としての北里柴三郎とその弟子たち、柴三郎が生きた時代背景を知り、北里研究所および北里大学の歩みをたどるとともに、生命科学・医学の最先端を知り、科学的なものの見方、考え方、学ぶことの面白さを理解する。(キーワード)生命科学/北里柴三郎/細菌学/免疫学/感染制御/チーム医療/農医連携/創薬/臨床研究/福沢諭吉
【この授業は全て対面で実施します】
学長、副学長をはじめ、大村特別栄誉教授、本学の教員、名誉教授、北里柴三郎記念博物館の職員など多彩な講師による多面的な視点によりオムニバス形式の講義を展開し、北里大学全体を俯瞰する。また教育効果を高めるため、課題を提示し、小論文試験を課す。講義はプリントやPC(プレゼンテーション)による講義形式、記念博物館見学によるフィールドワークで行う。
【フィードバックの方法】小論文の採点結果について、講師から総評としてコメントをGoogleClassroomでフィードバックする。
予習:授業内容に関連した文献を読んでおくこと。復習:授業中に取り上げた文献を読み直し自分の考えをまとめる。
授業時間外学習:29時間
回 | 担当者 | 項目 | 内容 |
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1 | 砂塚 敏明 大村 智 | 【前期】4/11【後期】9/11 イントロダクション・ 北里柴三郎先生の実学と私の研究 | イントロダクション、科目「北里の世界」について。 北里柴三郎博士の実学の思想を受け継いだ研究人生において数多く発見した化合物の中でも、特にノーベル賞受賞対象となったIvermectinと、その他代表的な化合物としてStaurosporineについて、どのように社会貢献しているかを述べる。 |
2 | 石多 正男 | 【前期】4/18【後期】9/18 北里柴三郎が生きた社会と文化 | 北里柴三郎が生きた1853年~1931年の日本、そしてヨーロッパの社会や文化はどのようなものだったのか。学祖の人格、そしてあのパワーを生み出した時代の諸相を考える。 |
3 | 檀原 宏文 | 【前期】4/25【後期】9/25 細菌学者としての北里柴三郎 ~北里柴三郎の教育が 今に伝えること~ | ペスト菌は北里柴三郎とエルサンがそれぞれ独立に香港で発見した。しかし、ペスト菌の学名はYersinia pestis(エルサンのペスト菌)である。何故か。そして、北里柴三郎の教育が今に伝えること、とは何か。 |
4 | 森 孝之 | 【前期】5/2【後期】10/2 北里柴三郎による伝染病対策の基本 | 医療体制が未成熟な明治・大正時代に感染症と戦った細菌学者の生涯を辿る。 紆余曲折の人生を歩み現在に繋がる医療の安心・安全の基盤を築いた学祖・北里柴三郎の「実学の精神」を学ぶ。 |
5 | 岡 浩太郎 | 【前期】5/9【後期】10/9 北里柴三郎が現代に研究をしたの なら… | 北里柴三郎は嫌気性培養セットや亀の子シャーレを開発し、破傷風菌の純粋培養に成功した「創意と工夫」のひとであった。もし北里が現代に研究を行なっていたら、データサイエンスにも興味を持ったことであろう。学祖の研究に触れながらデータサイエンスと生命科学との関わりについて考えたい。 |
6 | 浅見 行弘 | 【前期】5/16【後期】10/16 研究者とは?科学者とは?研究とは? | 研究者とは?科学者とは?について議論したい。特に、研究、記号論理学、討論の重要性について説明し、口頭発表における心構えを学ぶ。そして、現在の大村智記念研究所で行われている研究について紹介したい。 |
7 | 阿見彌 典子 | 【前期】5/23【後期】10/23 魚類の行動生理学研究を水産分野で役立てるために | 魚類を飼育して観察・解析することで何が得られるのか。どのようなことまでわかるのか。飼育実験の面白さと、水産への応用について考える。 |
8 | 市川 尊文 | 北里柴三郎記念博物館見学 | 資料・書簡・北里博士が実際に使用した実験器具等に接し、業績とその生涯を実感する。興味を持った点、感銘を受けた点などをレポートとして提出。 |
1.これから何をめざして進むべきか、自己探求のきっかけをつかみ、北里大学で学ぶことの意義や学び方を理解できる。
2. この授業で学修したことにより、自分は北里大学の学生として、どのように過ごすか。また、就職活動や留学の際などに「北里大学って、どんな大学ですか?何を学びましたか?」という質問に、どう回答するかを結び付けて考えることができる。
試験方法:その他 実施時期:試験期間外
①小論文試験:A4判 約1,200文字。出題担当者:石多、檀原、森。小論文提出:各課題提示の別途指示する。採点:各担当者の採点を合計して90点とする。②北里柴三郎記念博物館見学:10点(白金キャンパス、記念博物館内にて出欠を取る)。後期の見学期間等の詳細は別途掲示する。成績評価は①小論文試験と②記念博物館見学の合計100点満点で評価する。なお、小論文・見学課題をGoogleClassroomに提出できなかった場合に対しては、一切の救済措置はとらないので注意すること。また、小論文を出題する回の講義に出席していない者については、小論文の提出を認めない(履修変更により第3回から出席する学生について、第2回講義において出題される小論文課題に関しては別途措置を設けることとする)。見学課題についても、記念博物館内にて出席登録をしていない者の提出を認めない。
積極的に取り組めば学生生活に自信と誇りが生まれる。自分の中の秘められた可能性を見つけてほしい。
【檀原 宏文】
研究所での細菌研究を通して北里博士の功績に触れ、細菌学者としての北里博士や細菌学的意義を概説する。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 | 定価(円) |
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教科書 | (なし) | |||
参考書 | ラウソンレポート | 檀原宏文 | 北里柴三郎記念会発行 | |
参考書 | 北里柴三郎学術論文集 | 林志津江、森孝之、檀原宏文、手塚甫 | 学校法人北里研究所発行 | |
参考書 | 北里柴三郎 / 増補 北里柴三郎とその一門 | 長木大三 | 慶応義塾大学出版会 | |
参考書 | 破傷風菌論 | 北里柴三郎、中村桂子 | 哲学書房 | |
参考書 | 資料から見る北里柴三郎の功績 | 森孝之 | 学校法人北里研究所発行 |