英文名 | Liberal Arts and Sciences Seminar B | |
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科目概要 | 2025年度 前期/1単位 | |
授業対象 | 指定なし(M学部,ET学科,PT専攻,ST専攻,OV専攻,FR学部を除く) 水2/ [自由]M学部 水2/ [自由]ET学科 水2/ [自由]PT専攻 水2/ [自由]ST専攻 水2/ [自由]OV専攻 水2/ [自由]FR学部 水2 | |
科目責任者 | 山田 裕子 | |
担当者 | 山田 裕子※ | |
備考 | 科目ナンバリング:L102-ME02/授業形態:演習 |
多くの人にとって、大学生の時期は子どもから大人への移行期とされる「青年期」にあたります。身体的・心理的・社会的な変化が大きく、様々なストレスを感じやすい時期です。ストレスに圧倒されると、集中力が低下したり、気持ちがイライラして疲れてしまったり等、うまくいかないように感じるかもしれません。一方、適度なストレスは人生を豊かにすると言われています。本授業の目的は、大学生活で直面しやすいストレスについて学び、ストレスと上手に付き合う方法を習得することです。同じ出来事でも、そのストレスから受ける影響は一人一人異なりますので、まず自分自身とストレスとの関係について理解を深め、ストレス対処の様々な方法について学ぶことを目指します。
はじめに、ストレスとは何か、ストレスの影響とはどういうものかについて、また、一般的に大学生活の中で出会いやすいストレスについて学びます。次に、自分にとって何がストレスになるのかを探り、自分が現在行っているストレスの対処法について振り返ります。最終的には、ストレスを減らす(適度にする)ための方法について、様々な観点から学びます。講義、ワークシート、体験を組み合わせて双方向的に行います。体験したこと、思ったことや感じたこと等を小グループで話し合ったり、全体でシェアリングしたりする等、学生同士でも互いに学びあうことを通して、個別性と共通の人間性についても理解を深めていきます。
【この授業は全て対面で実施します】自己理解を深めるには、他者との関わりを通して自分を振り返る作業が重要ですので、原則、対面で授業を行います。パワーポイントを用いて講義を行い、その中で指示するワークに適宜取り組んで頂き、学習を進めます。安全に配慮しながら、参加者間(小グループもしくは全体)で思ったこと・感じたことのシェアリングを取り入れます。小レポート等で示された質問や重要な内容については、次の授業のはじめに匿名で全体にフィードバックし、参加者の理解を確認しながら進めます。授業の初回と最後の回にストレス等に関する質問票を実施し、ストレス対処に関する各自の成長について個別にフィードバックします。
【授業時間外に必要な学習の総時間数:15時間】※授業時間外学習には、試験レポートへの取り組み時間も含む。
予習:前回の授業内容を見直し、次回の授業テーマについて自分と照らし合わせて考えてみること。復習:その授業で学んだこと、気づいたこと、考えたこと、感じたこと等を振り返り、小レポートにまとめて提出すること。
回 | 担当者 | 項目 | 内容 |
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1 | 山田 裕子 | オリエンテーション・ガイダンス | 授業の目的と全体の概要、主要テーマであるストレスについて、評価方法、授業の進め方、受講上の注意点等説明する。ストレス等に関する質問票1回目を行う。 |
2 | 山田 裕子 | ストレスとは何か? | 今後の授業に向けてのウォーミングアップ。ストレスについて正しく理解し、どのように心や体に影響を及ぼすのかについて学習する。 |
3 | 山田 裕子 | 大学生が出会うストレス① 新しい生活への適応について | 大学生活の初期に影響を受けやすい「新しい生活や環境に適応していく際に生じるストレス」について主に学ぶ。 |
4 | 山田 裕子 | 大学生が出会うストレス② 学生生活における様々な場面について | 大学生活における学業と課外活動、アルバイト、趣味、また、それらのバランス等に関連するストレスについて学ぶ。 |
5 | 山田 裕子 | 大学生が出会うストレス③ 対人関係について | 青年期の友人関係、親との関係、恋愛関係等の特徴と、対人関係にまつわるストレスについて学ぶ。 |
6 | 山田 裕子 | 自分にとってのストレス、ストレスとの関わり方について | 自分のストレスについて振り返り、ストレス対処の際に生じる葛藤の仕組みを理解する。ストレス対処における自身のリソースを探す。 |
7 | 山田 裕子 | ストレス対処法を身につける①:ライフスタイルと時間管理 | 睡眠や食事、運動などのライフスタイルとストレスとの関係について、自分自身の日常生活を振り返りながら学ぶ。 |
8 | 山田 裕子 | ストレス対処法を身につける②:問題解決技法 | 現実的な問題がある場合に有効なストレス対処法として、問題を見極めて、解決策となる方法を捻出し、行動計画を立てて実施する方法を学ぶ。 |
9 | 山田 裕子 | ストレス対処法を身につける③:思考のクセを見直す | 認知行動療法をベースに自分の考え方のクセを見直す。物事の捉え方でストレスを増幅させている場合の対処法を学ぶ。 |
10 | 山田 裕子 | ストレス対処法を身につける④:アサーション | 他者との交流におけるストレスを軽減させるために、コミュニケーションスタイルや適切な自己主張、聴き方、話し方について学ぶ。 |
11 | 山田 裕子 | ストレス対処法を身につける⑤:マインドフルネス Part1 | マルチタスクによる脳疲労について理解し、マインドフルネス(今、ここの体験に意図的に注意を向け、評価や判断を加えずありのままを受け入れる力)を育む重要性について学ぶ。 |
12 | 山田 裕子 | ストレス対処法を身につける⑥:マインドフルネス Part2 | マインドフルネスの基礎である、「今、ここ」に好奇心をもって注意を向けることを体験的に学ぶ。 |
13 | 山田 裕子 | ストレス対処法を身につける⑦:マインドフルネス Part3 | 評価や判断を手放して、「今、ここ」の体験(シングルタスク)に注意を集中することを体験的に学ぶ。 |
14 | 山田 裕子 | ストレス対処法を身につける⑧:セルフ・コンパッション | ストレスや失敗、困難に直面した際、自分を責めるのではなく肯定的に受け入れ、精神的回復力を育むセルフ・コンパッションについて学ぶ。ストレス等に関する質問票2回目を行う。 |
15 | 山田 裕子 | 解説と確認 | 授業に関する質問や期末レポートについての解説等を個別に行う。 |
①全般的なストレスと大学生活で出会いやすいストレスについての知識を得る。②自分にとって何がストレスになるのか、どのように影響を受け、どのように対処しているのかについて、好奇心を持って探索できる。③自分にとっての新しいストレス対処法を1つ以上習得できる。④人の多様性や共通の人間性について理解し、自分の考えや意見を大切にしながら、自分とは異なる他者の価値や意見を認めることができる。
試験方法:レポート 実施時期:試験期間内
ワークシート等の課題の実行20%(取り組むべき課題に取り組んだ)、小レポート30%(講義内容をきちんと振り返り、小レポートを丁寧に記述し、自己探索に取り組んだ)、期末レポート50%(自分のストレスと対処法について本授業で得た自己理解に基づいた自己分析を示した)。以上の点を総合的に判断して評価します。
「ストレスについて学びたい」「ストレスマネジメントに興味・関心がある」「自分を知り成長する機会にしたい」等、テーマに少しでも関心のある方を歓迎します。皆さんが好奇心をもって楽しみながら取り組めるよう心がけますが、多少なりとも自分が抱えるストレスと向き合うことになりますので、心配事がある方は事前にご相談ください。体調に留意して参加してください。
臨床心理士/公認心理師として、心理学の知識や手法を取り入れながら、皆さんが自分のストレスとその付き合い方について探索し、成長していくお手伝いができればと思っています。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 | 定価(円) |
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教科書 | (なし) | |||
参考書 | 大学生のストレスマネジメント 自助の力と援助の力 | 齋藤憲司・石垣琢磨・高野明 | 有斐閣 | 2,200円(税込) |
参考書 | 知的生きかた文庫 疲れない脳をつくる生活習慣―働く人のためのマインドフルネス講座 | 石川善樹 | 三笠書房 | 715円(税込) |
参考書 | がんばりすぎるあなたへ 完璧主義を健全な習慣に変える方法 | ジェフ・シマンスキー | 阪急コミュニケーションズ | 1980円(税込) |
参考書 | 心のざわざわ・イライラを消す がんばりすぎない休み方 | 荻野淳也 | 文響社 | 1210円(税込) |