| 英文名 | Biology | |
|---|---|---|
| 科目概要 | 2025年度 通年／4単位 | |
| 授業対象 | ［選択］N学部 水２ | |
| 科目責任者 | 中森 智啓 | |
| 担当者 | 中森 智啓 | |
| 備考 | 科目ナンバリング：L101-GN05／授業形態：講義 | |
地球上にはヒトを含む様々な種類の生物が存在している。この講義では、多様な生物が持つ共通の構造や機能に加えて生物の多様性をもたらす仕組みを体系的に学ぶことで、生命現象全般を理解することを目的とする。
はじめに、生物の階層性や生物学の歴史について概説する。次いで、生命を支える物質や生物の基本単位である細胞について、そして生物がどのようにエネルギーを獲得して成長し、どのように次世代へ遺伝情報を伝えていくかを解説する。その後、地球上に多様に存在するようになった生物がどのように進化してきたか、そして生態系の中でどのような相互関係があるかを解説する。
【この授業は全て対面で実施します】
講義形式。教科書に沿った講義を行うが、教科書の記述の順序と講義内容の順序を入れ替えることがある。主にパワーポイントを使用し、必要に応じて動画を併用する。講義で使用するスライドのPDFファイルは前もってGoogle Classroom（「2025生物学N」クラスコード：lasepom ）にアップロードしておくので、必要な人は各自プリントアウトやダウンロードして講義に臨むこと。
【フィードバックの方法】
授業後に提出するリアクションペーパー内の確認問題については次の講義までに採点して返却する。
講義に対する質問などには、すべて次の講義までに回答する。
【授業時間外に必要な学習の時間：120時間】
予習：教科書の次回の講義内容の箇所を確認すること。
復習：毎回の授業後には、教科書とスライドPDFを用いて復習し、リアクションペーパー（確認問題あり）を提出すること。前回の確認問題の正解と、質問への回答を確認すること。
| 回 | 担当者 | 項目 | 内容 |
|---|---|---|---|
| 1 | 中森 智啓 | 生物と生物学 | 年間の授業内容について概説する。 生物の特徴（共通性と多様性、階層性）と科学的方法について学ぶ。 |
| 2 | 中森 智啓 | 生物学の歴史 | 生物学の歴史における重要な仮説と実験について学ぶ。 |
| 3 | 中森 智啓 | 細胞の構造 | 生命の基本単位である細胞の構造（細胞膜、細胞内小器官）について学ぶ。 |
| 4 | 中森 智啓 | 細胞骨格と細胞分裂 | 細胞骨格（アクチン、中間径フィラメント、微小管）、体細胞分裂、細胞周期について学ぶ。 |
| 5 | 中森 智啓 | 生体構成物質とエネルギー代謝 | 生体構成物質（糖質、脂質、タンパク質）とエネルギー代謝について学ぶ。 |
| 6 | 中森 智啓 | 消化と吸収 | ヒトの消化と吸収について学ぶ。 |
| 7 | 中森 智啓 | ATPと呼吸 | 呼吸について学ぶ（ミトコンドリア、クエン酸回路、電子伝達系、酸化的リン酸化、発酵）。 |
| 8 | 中森 智啓 | 光合成、化学合成、窒素同化 | 葉緑体で行われる光合成、化学合成、窒素同化について学ぶ（光化学系、電子伝達系、カルビン・ベンソン回路、亜硝酸菌、硝酸菌、根粒菌）。 |
| 9 | 中森 智啓 | 植物のしくみ | 植物の構造、配偶子形成、環境への応答について学ぶ（維管束、頂端分裂組織、重複受精、植物ホルモン）。 |
| 10 | 中森 智啓 | 核酸の構造・DNA複製 | 核酸（DNA、RNA）の構造とDNAの複製について学ぶ（DNAポリメラーゼ、岡崎フラグメント）。 |
| 11 | 中森 智啓 | ヒトの器官 | 皮膚、循環器系、呼吸器系、腎臓、肝臓、膵臓、ひ臓の構造と働きについて学ぶ。 |
| 12 | 中森 智啓 | 骨格系・神経系 | 骨格系と神経系について学ぶ（ニューロン、神経伝達物質、活動電位、脳、脊髄）。 |
| 13 | 中森 智啓 | 感覚受容器・筋系 | 感覚受容器（眼、耳、鼻、皮膚）、筋肉の収縮について学ぶ。 |
| 14 | 中森 智啓 | 細胞と生物のからだ（総論） | 生物のからだの中で起こる様々な現象の共通性や繋がりについて学ぶ。 |
| 15 | 中森 智啓 | まとめ | まとめ |
| 16 | 中森 智啓 | 遺伝のしくみ、RNA | メンデルの法則とRNAの種類（mRNA、tRNA、rRNA）について学ぶ。 |
| 17 | 中森 智啓 | 転写と翻訳 | DNAの転写、翻訳、タンパク質のフォールディングについて学ぶ（セントラルドグマ、RNAポリメラーゼ、スプライシング、コドン、分子シャペロン）。 |
| 18 | 中森 智啓 | 遺伝情報の変化と遺伝子発現の調節 | 突然変異が起こる仕組み、DNA多型、遺伝子発現の調節について学ぶ（複製エラー、DNA損傷、一塩基置換、メチル化、アセチル化）。 |
| 19 | 中森 智啓 | 動物の生殖・発生 | 動物の生殖様式、性決定、配偶子形成、ウニの発生、動物の形態形成とそれに関わる遺伝子の働きについて学ぶ（卵割、胞胚、原腸胚、形成体、ホメオティック遺伝子）。 |
| 20 | 中森 智啓 | 自律神経系・内分泌系・免疫系 | 体内の恒常性を守る仕組みについて学ぶ（交感神経、副交感神経、ホルモン、フィードバック、先天性免疫、後天性免疫、抗原抗体反応、ヘルパーT細胞）。 |
| 21 | 中森 智啓 | 老化・寿命とヒトの病気 | 老化の原因、寿命に関わる遺伝的要素、ヒトの病気について学ぶ（テロメア短縮、コレラ、インフルエンザ、ワクチン、血友病、がん）。 |
| 22 | 中森 智啓 | 進化の歴史としくみ（１） | 種概念、生命の起源、真核生物の進化について学ぶ（生物学的種概念、化学進化、熱水噴出孔、シアノバクテリア、共生説）。 |
| 23 | 中森 智啓 | 進化の歴史としくみ（２） | 多細胞生物の進化と陸上進出、ヒトの進化について学ぶ（群体、カンブリア紀の大爆発、クチクラ層、大量絶滅、ネアンデルタール人）。 |
| 24 | 中森 智啓 | 進化の歴史としくみ（３） | 進化のしくみについて学ぶ（突然変異、自然選択、中立進化、ビン首効果、種分化）。 |
| 25 | 中森 智啓 | 生物の系統と分類（１） | 生物の分類、細菌、古細菌、原生生物（二名法、三ドメイン説、原核生物）と、菌および植物の系統と分類について学ぶ（酵母、地衣類、陸上植物）。 |
| 26 | 中森 智啓 | 生物の系統と分類（２） | 動物の系統と分類とウイルスについて学ぶ（側生動物、放射相称動物、旧口動物、新口動物、RNAウイルス、DNAウイルス）。 |
| 27 | 中森 智啓 | 生物多様性と生態系（１） | 植生と遷移、バイオーム、物質循環、生態的ピラミッドについて学ぶ（一次遷移、二次遷移、炭素循環、窒素循環、生産者、消費者）。 |
| 28 | 中森 智啓 | 生物多様性と生態系（２） | 生物間相互作用と生態系の保全について学ぶ（個体群、生物群集、密度効果、共生、温室効果、特定外来生物）。 |
| 29 | 中森 智啓 | 遺伝子と生物の進化・多様性について（総論） | 地球上に生命が誕生してから現在に至るまでに獲得した多様性や進化の過程における、遺伝子の重要性について学ぶ。 |
| 30 | 中森 智啓 | まとめ | まとめ |
生物学の分野をミクロからマクロまで幅広く学び、生命科学の基礎を身に付ける。具体的には、エネルギー代謝、遺伝、進化など講義で扱う生命現象、さらに、多様な生物とヒトとの関わりについて、教科書の丸暗記ではなく「自分の言葉で」説明することができる。
試験方法：筆記試験 実施時期：試験期間内
毎回提出するリアクションペーパー内の確認問題の結果（30%）、定期試験の結果（70%）に基づいて行う。
物事を知ると世界が広がります。興味のあるなしに関わらず、貪欲に学んでください。受験で「生物」を選択しなかった人は必ず「生物学要習」を受講すること。講義内容などに関する疑問があったり勉強方法が分からない場合は、遠慮せずに質問をしてください。また、学習サポートセンター（ASC）を積極的に活用してください。
| 種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 | 定価（円） |
|---|---|---|---|---|
| 教科書 | ベーシック生物学 増補改訂版 | 武村政春著 | 裳華房 | 3,080円 |
| 参考書 | キャンベル生物学 原著11版 | N.A.Campbellほか著、池内昌彦ほか監訳 | 丸善 | 16,500円 |
| 参考書 | 細胞の分子生物学 第6版 | B.Albertsほか著、中村佳子・松原謙一監訳 | ニュートンプレス | 24,530円 |