英文名 | Chemistry | |
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科目概要 | 2025年度 前期/3単位 | |
授業対象 | [選択]M学部 火3/ [選択]M学部 水3 | |
科目責任者 | 能登 香 | |
担当者 | 能登 香 | |
備考 | 科目ナンバリング:L101-GN03/授業形態:講義 |
自然現象は物質の性質と変化によって引き起こされる.身の回りの自然現象を化学的な観点から論じることができる知識を身につけ,専門課程に自信を持って進めるだけの基礎知識を得ることを目的とする.
医学の理解を深める際に必要となる,物質の構造・性質・変化に関する下記の基本的概念をミクロな観点から学習する.
物質の構造(原子と元素,化学結合と分子,イオン)
物質の性質(電気陰性度と極性,酸性と塩基性,放射能)
物質の変化(相変化,化学反応とエネルギー,平衡,溶解,原子核変換)
【この授業は全て対面で実施します】
講義内容は教科書に沿って進め,発展的な内容や演習問題を毎回配布するプリントで補う形式で講義を行う.配布プリントは Google Classroom にもアップロードする.
講義形式はパワーポイントを中心に動画教材・板書を併用し,問題演習を行いながら講義を進める.
【フィードバックの方法】講義の冒頭で,前回講義内容を復習し,知識を定着させる.この時に,講義中に配布するリアクションペーパーに記載された質問内容について解説する.
【授業時間外に必要な学習の時間:89 時間】
予習:講義前に,教科書の学習予定の章に目を通しておくこと.
復習:講義後には速やかに講義内容の復習をし,講義中に行う演習問題の見直しや,宿題とした演習問題を解き,理解が不足している部分については,教科書の練習問題を解き,講義内容を理解すること.
回 | 担当者 | 項目 | 内容 |
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1 | 能登 香 | 暮らしと化学 ,測定 | 科学と物質,科学の方法,物理量,SI単位,有効数字の取り扱いについて説明する. |
2 | 能登 香 | 物質とエネルギー | 物質の分類,物理変化と化学変化とエネルギー熱力学第一法則と第二法則を説明し,比熱容量を使った計算の演習を行う. |
3 | 能登 香 | 元素と原子 | 周期表中の元素の分類,原子の内部構造とその構成粒子について説明する.元素の同位体について説明し,その存在比と相対原子質量から原子量を求める計算演習を行う. |
4 | 能登 香 | 電子配置と周期性(1) | 原子の基底状態と励起状態を説明し,量子力学模型による原子の内部構造を解説する.原子のイオン化を定義し,原子やイオンの電子配置に関する演習を行う. |
5 | 能登 香 | 電子配置と周期性(2) | 元素の性質とその周期性が,原子の電子配置と深く関わっていることを解説する.分子のルイス構造(点電子図)とオクテット則について説明する. |
6 | 能登 香 | 無機化合物と有機化合物―名称と化学式, 分子やイオンの形と引き合い(1) | イオン結合とイオン結合性化合物について解説する.共有結合と共有結合性化合物について説明し,混成軌道と分子の形について解説する. |
7 | 能登 香 | 分子やイオンの形と引き合い(2) | ルイス構造とVSEPR(原子価殻電子対反発)理論を使い,分子の立体構造およびその性質を予測する演習を行う. |
8 | 能登 香 | 分子やイオンの形と引き合い(3) | 色々な分子間力の違いを解説し,新素材開発への応用例を紹介する.また,水素結合と水の特性の関係について考える. |
9 | 能登 香 | 物質の量 | 物質量(モル)と粒子数,質量,気体の体積との関係を説明する.化学反応における反応物と生成物の量に関する問題演習を行う. |
10 | 能登 香 | 反応の表記と分類,量でみる化学反応, 化学反応とエネルギー | 化学反応における収率・制限試薬を考慮し,反応の量的変化に関する演習を行う. 化学反応に伴うエネルギー変化について解説する. |
11 | 能登 香 | 気体(1) | 理想気体を定義し,気体の法則(ボイルの法則,シャルルの法則,理想気体の法則)を解説する.これらの法則を使った問題演習を行い,理解を深める |
12 | 能登 香 | 気体(2) | 気体流出の法則,気体の溶解度の法則,分圧の法則について解説し,問題演習を行う.また,実在気体と理想気体の違いを圧縮率因子を用いて解説する. |
13 | 能登 香 | 溶液(1) | 医療分野において必須の「濃度」について学習する.様々な濃度の単位を紹介するとともに,単位に注意して濃度計算ができるように演習を行う. |
14 | 能登 香 | 溶液(2) | コロイドの性質を説明し,電気泳動法などのコロイドの利用例を紹介する. |
15 | 能登 香 | 溶液(3) | 溶液の束一的性質を説明し,沸点上昇,凝固点降下,浸透に関する問題演習を行う.人工透析の原理について紹介する. |
16 | 能登 香 | 反応の速度 | 化学反応の速度と,それに影響を与える因子について実例を挙げながら解説し,反応速度式,反応次数,アレニウスの式に関する演習を行う. |
17 | 能登 香 | 化学平衡 | 化学平衡,平衡定数,ルシャトリエの原理について説明し,化学平衡を移動させる因子について考える. |
18 | 能登 香 | 酸と塩基 | 酸・塩基を定義し,水溶液のpHと酸・塩基の強さ,共役な酸と塩基について解説し,問題演習を行う. |
19 | 能登 香 | 緩衝液 | 体内のpHコントロールの原理である水溶液の緩衝作用を説明する.酸解離定数から緩衝液のpHを求める演習を行う. |
20 | 能登 香 | 酸化と還元 | 酸化と還元を定義し,酸化,還元に伴う電子の授受と酸化数の変化について説明する. |
21 | 能登 香 | 放射線の化学(1) | 放射性核種・崩壊系列・放射線量の単位の違い,放射壊変の際に放射される放射線や粒子について医療分野における利用法を含めて解説する. |
22 | 能登 香 | 放射線の化学(2) | 放射壊変の核反応式,崩壊速度を表す半減期を解説し,残留放射線核種の量に関する演習を行う. |
23 | 能登 香 | まとめ | まとめと解説 |
①化学で用いられる単位について理解し,異なる単位の間での換算ができる.
②種々の物質の成り立ちとその性質について説明できる.
③物質の種々の変化について説明できる.
④化学反応に伴う化学量論的計算ができる.
⑤濃度,pH,化学平衡についての基本的な計算ができる.
試験方法:筆記試験 実施時期:試験期間内
定期試験を主に,レポートも加味して評価する.レポートは7月初めに課題を出し,7月下旬を締切とするが,提出は任意である.成績評価は「定期試験 80 %,レポート 20 %」または「定期試験 100 %」のいずれか良い方で評価する.
私たちの体や生活は化学と密接に関わっています.化学の基礎知識を身につけることで,今までとは違った視点から身の回りの自然現象を理解することができるようになります.授業中に演習問題を行い,皆で解きながら理解を深めていきますので,ノート(ルーズリーフ)を必ず持参してください.講義後には速やかに復習をし,疑問点を確認しながら学習することが大切です.
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 | 定価(円) |
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教科書 | ティンバーレイク 教養の化学 | Karen Timberlake・William Timberlake著 渡辺正・尾中篤訳 | 東京化学同人 | 2,900円 |
参考書 | (なし) |