英文名 | Physics | |
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科目概要 | 2025年度 通年/4単位 | |
授業対象 | [選択]N学部 水2/ [選択]ST専攻 水2/ [必修]OV専攻 水2 | |
科目責任者 | 吉村 玲子 | |
担当者 | 吉村 玲子※ | |
備考 | 科目ナンバリング:L101-GN01/授業形態:講義 |
この授業では、あらゆる現象の背景にある自然界の基本的な法則を理解することにより、医療従事者を目指す者として必要な
①科学的基礎知識を習得する
②科学的・普遍的な価値観を形成する
③科学技術の利用とその方向性についてより的確に判断する力を養う
という3点を目標とする。
動力学、流体力学、波動力学、光学、音響学、電磁気学、放射線物理学の各基礎(物理学に関する基礎的な一般知識および生命科学や医療技術に関係する項目)
【この授業は全て対面で実施します】
・ 講義はスライドと板書を併用し、動画や演示実験を提示して理解を深めてもらう。
・ 出欠はオンラインで行う確認テストおよび授業アンケートへの回答をもって確認する。
・ 毎講義後にオンラインでできる確認問題および復習用動画を掲載し、復習に活用してもらう。
※ この講義ではノートテイクに追われることなく講義内容の理解に努めてもらうため、書き込み式の講義ノートを用意する。また、特に断りがない限り板書やスライドの写真撮影を許可する。
【フィードバックの方法】
各回の授業冒頭で、前回アンケート結果の提示、確認テストの解説、受けた質問の共有と解説を行う。
【授業時間外に必要な学習の時間:120時間】
【予習】シラバスを見て、対応するテキストの章を読む(対応する章はシラバス内の「授業内容」に記載)。
【復習】講義ノート、プリントを見直し、スライドや板書を写真撮影した場合はそれをノートにまとめる。理解しにくかったところは復習動画を視聴する。オンラインの確認問題を全問正解できるまで繰り返し解答する。
回 | 担当者 | 項目 | 内容 |
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1 | 吉村 玲子 | オリエンテーション | 授業目標、授業方法、成績評価方法、自然科学学習の目的と意味について説明し、物理量と単位、物理学の学習において必要な最低限の数学の基礎を確認する。(第1章前半) |
2 | 吉村 玲子 | 運動の表し方 | ベクトル量としての変位・速度・加速度の概念を理解し、作図・グラフ・数式を用いた物体の運動を記述の仕方について習熟する。(第5章) |
3 | 吉村 玲子 | 運動の法則 | ニュートンの運動の3法則(慣性の法則、運動の法則、作用・反作用の法則)について理解し、各法則を用いて物理現象を説明できるようにする。(第6章) |
4 | 吉村 玲子 | 回転運動 | 円軌道上を運動する物体の様子の記述の仕方、速度・加速度・軌道半径の関係と、回転運動の性質を決める周期・角速度について理解する。(第8章) |
5 | 吉村 玲子 | 単振動 | 振動運動の基本としての単振動を、同じ周期運動の一つである回転運動になぞらえて理解し、運動の記述の仕方について学習する。(第9章) |
6 | 吉村 玲子 | 仕事とエネルギー | 物理学における仕事と仕事率、仕事の原理、力学的エネルギーについて学習し、仕事とエネルギーの関係について理解する。(第10章前半) |
7 | 吉村 玲子 | 力学的エネルギー保存則 | 力学的エネルギー保存則について学習し、摩擦がある場合の運動についてエネルギー保存の観点から理解する。(第10章後半) |
8 | 吉村 玲子 | 演習A | 第1回から第7回までの授業内容に関する総合的な演習と中間試験を行う。 |
9 | 吉村 玲子 | 静止流体 | 静止流体に関する基本事項である圧力、浮力(アルキメデスの原理)、パスカルの原理について理解する。(第13章前半) |
10 | 吉村 玲子 | 運動流体 | 流れのある流体として、連続の式、ベルヌーイの定理、血液の流れである粘性層流について理解する。(第13章後半) |
11 | 吉村 玲子 | 熱の表し方と熱力学の法則 | 熱についての基本概念、気体のする仕事と熱エネルギーの関係、エントロピーの概念を学習し、不可逆なエネルギーの流れについて理解する。(第14章、第15章(気体の分子運動論除く)) |
12 | 吉村 玲子 | 波の表し方 | 横波と縦波、振動数、周期、波長、波の速さについてそれぞれの定義と関係について理解する。(第16章、第17章(定常波・周波数解析除く)) |
13 | 吉村 玲子 | 波の特性 | 重ね合わせの原理、干渉、回折、反射と屈折など、波特有の現象について、その原理を理解し、説明できるようにする。(第18章(ホイヘンスの原理除く)) |
14 | 吉村 玲子 | 演習B | 第9回から第13回までの授業内容に関する演習を行う。 |
15 | 吉村 玲子 | まとめ | 前期の授業内容に関する総合的なまとめを行う。 |
16 | 吉村 玲子 | 不確かさと有効数字 | 実験や測定に必要な概念である不確かさと有効数字について理解する。(第1章後半) |
17 | 吉村 玲子 | 波動光学1 | 光を波の一種と捉え、波動特有の現象である屈折、反射(全反射)、干渉の原理について理解する。(第21章前半) |
18 | 吉村 玲子 | 波動光学2 | 波動光学の続きとして、光の散乱、吸光、偏光について学習し、レーザーの仕組みについて学習する。(第21章後半、第23章) |
19 | 吉村 玲子 | 幾何光学1(レンズによる実像と虚像) | 光を波ではなく光線とみなしたときに観測される現象を通して、レンズ(凸・凹)の性質について確認する。(第24章前半) |
20 | 吉村 玲子 | 幾何光学2(球面レンズと眼球の機能) | 幾何光学の続きとして、球面レンズによる結像について学習し、眼球の機能について理解する。(第24章後半) |
21 | 吉村 玲子 | 音波の基礎 | 音の伝わり方、音が伝わる媒質の性質と音速の関係を理解し、音の三要素(音の高さ、音の強さ(dB)、音色)について説明できるようにする。(第19章前半) |
22 | 吉村 玲子 | 音波(弦・気柱の振動) | 定常波のでき方について学習し、弦や気柱から発信される音の性質を理解する。また、固有振動・共鳴について理解する。(第17章(定常波)、第19章後半) |
23 | 吉村 玲子 | ドップラー効果 | 日常的にも観測され、医療機器を含む様々な測定原理として用いられるドップラー効果の原理を波動の観点から学習し、理解する(第20章) |
24 | 吉村 玲子 | 後期演習A | 第16回から第23回までの授業内容に関する総合的な演習と中間試験を行う。 |
25 | 吉村 玲子 | 静電場 | 電気分野の基礎概念である、電荷、電場、電位、電位差(電圧)、クーロン力について確認し、静電誘導、誘電分極の原理について理解する。(第25章前半) |
26 | 吉村 玲子 | 直流回路 | 電流の定義とその働き、電流を流すために必要な電圧(起電力)、素子(電気抵抗・コンデンサー)の機能、電力とジュール熱について学習する。(第26章前半、第27章前半) |
27 | 吉村 玲子 | 電流と磁場 | 磁場の性質、電流と磁場の関係、ファラデーの電磁誘導の法則について学習し、発電の原理と電磁波の基礎について理解する。(第26章後半) |
28 | 吉村 玲子 | 放射線 | 原子の構造、放射線の種類、半減期、放射線の強さ、空間線量、吸収線量の概念について理解する。(第30章) |
29 | 吉村 玲子 | 後期演習B | 第25回から第28回までの授業内容に関する演習を行う。 |
30 | 吉村 玲子 | まとめ | 後期の授業内容に関する総合的なまとめを行う。 |
自然界の基本的法則の意味を理解し、それによって説明される現象を、言葉・数式などを用いて解説できるようになる。また、それらがどのように医療応用されるか、適切な例を挙げて説明できるようになる。
試験方法:筆記試験 実施時期:試験期間内
定期試験および中間試験(第8回および第24回の「演習A」内で行う)の総合点を前・後期をそれぞれ45%、毎回の確認テストを10%に換算して評価する。
この講義では、様々な物理現象を、最終的には数式や言葉で説明できるようになることが目標ですが、演示実験や動画での解説を多用し、直感的にも理解できるように努めています。それでも理解しにくかったところ、わからなかったところは、遠慮なく質問してください。ASCの利用も推奨します。またこの講義は、物理基礎を一通り学習してきているものとして進めますので、「力」「波動」「熱」「電磁気」の基礎的な内容に不安がある学生は、併せて物理学要習を履修してください。
研究所での地球・宇宙環境の観測・データ解析の実務経験から、基本的な物理法則が、自然現象の先端的な研究にどのように寄与しているのかを解説し、各法則の理解を深める。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 | 定価(円) |
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教科書 | 医療系の基礎としての物理 | 廣岡秀明他 | 学術図書出版社 | 2,200円 |
参考書 | (なし) |