英文名 | Vectors and Matrices | |
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科目概要 | 2025年度 後期/2単位 | |
授業対象 | [必修]FR学部 金1 | |
科目責任者 | 渡辺 一雄 | |
担当者 | 渡辺 一雄/伊藤 真吾 | |
備考 | 科目ナンバリング:L101-GI13/授業形態:講義 |
データサイエンスの分野において、ベクトル、行列、線形変換の概念は重要な基本事項であり、これらの概念を正しく理解し活用することは必須のスキルである。この講義では、ベクトル、行列、線形空間を理解するために、ベクトル・行列の計算、それらの特性値(固有値や固有ベクトル)の計算、そして線形空間の一般論などを修得することを目的とする。
前半の講義では行列の演算、基本的性質の説明から始め、行列を用いた連立1次方程式の解法や行列式の計算、基本的性質について講義する。後半の講義では線形空間や線形写像といった抽象的な数学の概念を紹介しながら、固有値と固有ベクトルの理論、対称行列の対角化について説明する。
【この授業は全て対面で実施します】
板書を使った講義および演習によって授業を進める。各項⽬について要点を絞り、具体例を多く扱うことで説明はできるだけわかりやすくなるよう⼼がける。また、講義で扱った内容の理解を深め実際に⽤いることができるよう、講義時間内に演習の時間を設ける。担当教員によっては授業内で提出を伴う課題を課したり、小テストを行ったりすることがある。
【フィードバックの方法】小テストや課題の採点・添削・返却および模範解答の提示を2~3週間以内をめどに行う。
【授業時間外に必要な学習の時間:60時間】
予習:次回授業内容について、教科書の該当部分(毎回5ページ程度)に⽬を通し概要を把握しておく(1時間程度)。
復習:授業後に内容をノートにまとめておくこと。授業内で扱った問題について、間違えた箇所を中心に復習を行う。それに加えて、課題や教科書の例題、章末問題に取り組む(3時間程度)。
回 | 担当者 | 項目 | 内容 |
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1 | 渡辺 一雄 伊藤 真吾 | 行列とベクトルの演算 | ベクトル、行列の定義およびそれらの計算方法を学ぶ。 |
2 | 渡辺 一雄 伊藤 真吾 | いろいろな行列 | 単位行列、逆行列、対称行列、直交行列の定義およびその性質を学ぶ |
3 | 渡辺 一雄 伊藤 真吾 | 拡大係数行列と行基本変形 | 拡大係数行列に対する行基本変形の方法、それを利用した連立1次方程式の解き方を学ぶ。 |
4 | 渡辺 一雄 伊藤 真吾 | 掃き出し法と行列の階数 | 行列を階段標準形にする方法(掃き出し法)、それを利用した連立1次方程式の解き方を学ぶ。また、行列の階数を連立1次方程式の解の関係を学ぶ。 |
5 | 渡辺 一雄 伊藤 真吾 | 基本行列と逆行列 | 行基本変形と基本行列の関係、行基本変形を用いた逆行列の求め方を学ぶ。 |
6 | 渡辺 一雄 伊藤 真吾 | 行列式の定義 | 行列式の定義および2次、3次の行列式の求め方を学ぶ。 |
7 | 渡辺 一雄 伊藤 真吾 | 行列式の性質 | 行列式がもつ様々な性質とそれらを利用した行列式の求め方を学ぶ。 |
8 | 渡辺 一雄 伊藤 真吾 | 余因子展開と逆行列 | 余因子展開の方法およびそれを用いた行列式の求め方を学ぶ。 |
9 | 渡辺 一雄 伊藤 真吾 | クラメルの公式 | クラメルの公式による連立1次方程式の解き方を学ぶ。 |
10 | 渡辺 一雄 伊藤 真吾 | 線形空間と部分空間 | 線形空間の定義およびその性質を学ぶ。また、ベクトルの1次独立・1次従属の定義およびその判定法を学ぶ。 |
11 | 渡辺 一雄 伊藤 真吾 | 線形空間の基底と次元 | 線形空間の基底と次元の定義およびその性質を学ぶ。また、線形写像の定義とその性質を学ぶ。 |
12 | 渡辺 一雄 伊藤 真吾 | 固有値と固有ベクトル | 固有値と固有ベクトルの定義およびそれらの計算方法を学ぶ。 |
13 | 渡辺 一雄 伊藤 真吾 | 正方行列の対角化 | 正方行列が対角化できる条件を理解し、固有値を用いて正方行列を対角化する方法を学ぶ。 |
14 | 渡辺 一雄 伊藤 真吾 | 対称行列の対角化 | グラムシュミットの直交化法を理解し、それを用いて対称行列を対角化する方法を学ぶ。 |
15 | 渡辺 一雄 伊藤 真吾 | まとめ | 全体を通しての復習を行う。 |
1.行列と行列式の基本事項を正しく理解している。
2.行列の性質を利用して、連立1次方程式を解くことができる。
3.固有値と固有ベクトルの概念を正しく理解し、対称行列を対角化できる。
4.論理的思考に基づいて、物事を説明できる。
試験方法:筆記試験 実施時期:試験期間内
「講義内における課題・小テストにおいて授業内容を正しく理解できている(20%)」、「講義内容の理解度を問う定期試験(80%)」により評価する。なお、欠席は減点する。
授業内でも演習の時間は設けますが、その演習だけで全てを理解するのは不可能です。数学は自分の頭で考え、手を動かすことによって身に付きます。なるべく自分で手を動かし、わからない箇所に遭遇したら、どこまでわかってどこからわからないのかを自分で考えてみましょう。その上で疑問が生じた場合は積極的に質問してください。この講義を通して、自分で問題が解けることの楽しさ、理論を理解することの面白さを味わってもらいたいと思います。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 | 定価(円) |
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教科書 | 初めて学ぶ線形代数 | 宮﨑直、勝野恵子、酒井祐貴子 | 培風館 | 2,200円 |
参考書 | 線形代数の基礎 | 川原雄作、木村哲三、薮康彦、亀田真澄 | 共立出版 | 2,200円 |
参考書 | 線形代数学 | 斎藤正彦 | 東京図書 | 3,300円 |