英文名 | Mathematics | |
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科目概要 | 2025年度 通年/4単位 | |
授業対象 | [選択]P学部①(上級) 水1 | |
科目責任者 | 吉井 健太郎 | |
担当者 | 吉井 健太郎 | |
備考 | 科目ナンバリング:L101-GI01/授業形態:講義 |
微分積分学について一通りの基礎知識の習得、および数学的な思考力や問題解決能力の養成を目指す
微分積分学は自然科学において最も重要な学問の一つである。本講義では、1変数関数の微分積分からはじめて、2変数関数の微分および積分を扱う。1変数関数の微積分は高校でもある程度学んでいることと思うが、必要に応じて復習も行う。
【この授業は全て対面で実施します】
講義と演習により授業を展開する。講義では要点を絞った説明を心がけ、具体例を紹介する。
また、授業の進度に合わせてGoogle Classroom(以下LMS)にレポート課題を掲載する。レポート課題の回収もLMSを利用して行う。
フィードバック:レポート課題の添削・返却および模範解答の提示は1-2週間以内をめどにLMSを利用して行う。
前期末・後期末に行う試験の返却および模範解答の提示は行わないが、点数の開示を2-3週間以内をめどにLMSを利用して行う。
【授業時間外に必要な学習の時間:総時間数:120時間】
予習:授業前に教科書の講義予定の部分をあらかじめ見ておくこと。各回1時間。
復習:授業後に講義の板書を書き写したノートとは別に内容をまとめたノートを作成すること。ノートは1か月後、半年後の自分自身が読んで理解できるようにまとめるとよい。また、問題演習で間違えた問題についてはなぜ間違えたのか直接の原因をメモし、解き直しをすること。各回3 時間。
回 | 担当者 | 項目 | 内容 |
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1 | 吉井 健太郎 | ガイダンス、数列の極限 | 授業の内容と進め方を説明する。また、数列の極限の定義と計算方法を紹介する。 |
2 | 吉井 健太郎 | 1変数関数の極限、連続性 | 1変数関数の極限と連続性の定義および計算方法を紹介する。 |
3 | 吉井 健太郎 | 合成関数、逆関数の定義 | 合成関数および逆関数について説明する。また、定義域を制限した三角関数の逆関数である逆三角関数の値の求め方や性質について紹介する。 |
4 | 吉井 健太郎 | 導関数と接線、微分法の諸公式 | 1変数関数に対して、そのグラフの接線の傾きを値とする関数として導関数を定義する。また、和・定数倍・積・商の微分法、合成関数の微分法、逆関数の微分法を紹介する。 |
5 | 吉井 健太郎 | 基本的な関数の導関数 | べき関数、指数関数、対数関数、三角関数、逆三角関数の導関数を紹介する。また、微分の計算練習を行う。 |
6 | 吉井 健太郎 | 対数微分法、パラメーター表示関数の微分法 | 関数を微分するとき、その関数の対数の微分を利用することで計算を簡略化できる場合があることを説明する。また、曲線のパラメーター表示とその接線の傾きの求め方を紹介する。 |
7 | 吉井 健太郎 | 高次導関数、ライプニッツの公式 | 関数に微分をくり返して得られるものとして高次導関数を定義し、いくつか例を紹介する。また、ライプニッツの公式などの高次導関数を求める計算に使われる公式を紹介する。 |
8 | 吉井 健太郎 | 平均値の定理 | ロルの定理・平均値の定理・コーシーの平均値定理について紹介する。 |
9 | 吉井 健太郎 | 不定形の極限 | ロピタルの定理による不定形の極限の計算方法と注意点を説明する。 |
10 | 吉井 健太郎 | 1変数関数のグラフの概形 | 微分を用いて、1変数関数の増減と極値、グラフの凹凸と変曲点を調べる方法を紹介する。 |
11 | 吉井 健太郎 | 1変数関数に対するテイラーの定理 | 1変数関数に対して多項式による近似を与える定理であるテイラーの定理、およびその特殊な場合であるマクローリンの定理について説明する。 |
12 | 吉井 健太郎 | 1変数関数のマクローリン展開 | マクローリンの定理の極限として得られるマクローリン展開について説明する。 |
13 | 吉井 健太郎 | 不定積分の定義と置換積分法、部分積分法 | 不定積分を定義し、基本的な関数の不定積分の公式を微分の公式から導出する。また、置換積分法を合成関数の微分法から導出し、部分積分法を積の微分法から導出し、それらを用いる不定積分の計算練習をする。 |
14 | 吉井 健太郎 | 有理関数の不定積分 | 部分分数展開などを用いた系統的な有理関数の不定積分の計算方法を紹介する。 |
15 | 吉井 健太郎 | まとめ | 前期の授業のまとめをする。 |
16 | 吉井 健太郎 | 定積分の定義と性質 | 定積分を定義し、いくつかの基本的な性質について説明する。 |
17 | 吉井 健太郎 | 微分積分学の基本定理、定積分の諸公式 | 微分積分学の基本定理と定積分に対する置換積分法と部分積分法を紹介し、定積分の計算練習を行う。 |
18 | 吉井 健太郎 | 図形の面積 | 定積分の計算を利用して、様々な図形の面積を求める方法を紹介する。極座標表示された図形の面積についても扱う。 |
19 | 吉井 健太郎 | 曲線の長さ | 定積分の計算を利用して、様々な図形の曲線の長さを求める方法を紹介する。極座標表示された曲線の面積についても扱う。 |
20 | 吉井 健太郎 | 広義積分 | 広義積分を定積分の極限として定義し、その計算練習を行う。 |
21 | 吉井 健太郎 | 2変数関数の極限、連続性 | 2変数関数とそのグラフの定義と例を紹介する。また、2変数関数の極限の計算方法や連続性について説明する。 |
22 | 吉井 健太郎 | 偏導関数 | 2変数関数に対して偏導関数を定義し、その計算練習を行う。 |
23 | 吉井 健太郎 | 全微分可能性と接平面 | 2変数関数が全微分可能であることの定義と意味を説明する。また、全微分可能な2変数関数のグラフに対して、接平面を定義する。 |
24 | 吉井 健太郎 | 2変数合成関数の微分公式 | 2変数関数を合成して得られる関数の微分に関する公式を紹介する。 |
25 | 吉井 健太郎 | 2変数関数の高次偏導関数とテイラーの定理 | 2変数関数に偏微分をくり返して得られるものとして高次偏導関数を定義し、いくつか例を紹介する。また、2変数の場合のテイラーの定理を、1変数の場合のマクローリンの定理から導出する。 |
26 | 吉井 健太郎 | 2変数関数の極値 | 2変数関数の極大値と極小値を求める方法を説明し、計算練習を行う。 |
27 | 吉井 健太郎 | 重積分と累次積分 | 重積分を定義し、長方形などの単純な領域上の重積分は累次積分で表せることを紹介する。 |
28 | 吉井 健太郎 | 重積分の計算法 | 様々な領域上の重積分の計算を具体例を用いて説明する。 |
29 | 吉井 健太郎 | 重積分の変数変換 | 重積分の変数変換について説明する。特に、1次式による変数変換と極座標変換について詳しく扱う。 |
30 | 吉井 健太郎 | まとめ | 後期の授業のまとめをする。 |
1. 1変数関数の微積分の知識や計算技術の補強を行い、応用的な問題を解くことができる。
2. 2変数関数の微積分(偏微分や重積分)についての基本的な事項を理解し、応用することができる。
3. 単に計算ができるだけでなく、なぜそうなるのか、証明や数学的な理論を理解し、他者に説明できる。
前期末・後期末の試験期間中に行う筆記試験と授業内のレポート課題の結果を用いて成績を評価する。
具体的には前期末試験40%、後期末試験 40%、レポート課題等20% の割合で評価し、100点満点に換算する。
60点以上を合格、60点未満を不合格とする。
数学の学習は個人の自学自習でまかなえる部分もあるが、その一方で、複数の履修者が相互の学習を助け合うことも重要である。履修者各位はLMSや各種SNSの機能を利用するなどして、履修者同士で講義内容の疑問点や理解の度合いを確認しあうことが望ましい。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 | 定価(円) |
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教科書 | 微分積分学 | 加藤末広、勝野恵子、谷口哲也 | コロナ社 | 2,860円 |
参考書 | 微分積分概論 新訂版 | 高橋泰嗣,加藤幹雄 | サイエンス社 | 1,925円 |
参考書 | 詳解微分積分演習 基礎から本質の確かな理解へ | 加藤幹雄,柳研二郎,三谷健一,高橋泰嗣 | サイエンス社 | 2,310円 |
参考書 | 新版 演習微分積分 | 寺田文行,坂田ひろし | サイエンス社 | 2,305円 |
参考書 | やさしく語る微分積分 | 西岡康夫 | オーム社 | 2,530円 |