授業の目的

看護学科の英語BⅡでは、専門に進む前段階として必要な英語力を「聴く」「読む」「話す」「書く」活動を通して養成する。英語で書かれた・話された内容から必要な情報を収集し、その情報をただ鵜呑みにするのではなく、自分で複数の観点から論理的に考える “Critical Thinking” の姿勢を身に付ける。さらに、自身の考えを課題にそってまとめ、表現する力を習得することを目的とする。また、聞き手に理解してもらえる(intelligible)発音とイントネーションも同時に身に付ける。語学学習の楽しさを知り、自主的な英語学習の動機につなげていく。専門分野を意識した医療・看護系の学生のための総合英語のテキストを用い、「信頼できる健康情報の見分け方」「非言語コミュニケーションの力」「世界がうらやまむ日本の医療制度」など３つの分野にわたる文献を読み、アカデミック・ライティングやプレゼンテンション、ロール・プレイなどを通して英語で表現する力を養成することを目的とする。

教育内容

(1) 「聴く」活動：ネイティブの発音を聞き、発音変化や英語のリズムに耳を慣れさせる。日本語と英語の音韻的な違いについて入門的なことを解説し、発音練習をさせる。
(2) 「読む」活動：各ユニットの文章に適したリーディング・ストラテジーを習得させる。また、ライティングに必要な知識についても同時に解説する。
(3) 「話す」活動：関連のトピックについて英語で自分の意見を述べる練習をする。発音と語強勢、リズムで句切ることなども意識させる。
(4) 「書く」活動：(2)～(4)で学んだことを活かして、英文を書いて表現する練習をさせる。
(5) ペアーワークやグループワークなどを取り入れた双方向の対面授業を行う。
(6)プレゼンテーションやロール・プレイなどのアクティビティを通して英語で情報を理解、発信する力を取得する。

教育方法

【この授業は全て対面で実施します】
各Unitを3～４コマで進める。学生は担当者の指導の下に次の活動を行う。
Ⅰ Vocabulary Check
A.：ユニットの語彙のうち、一般用語を確認する。単語の日本語の意味を調べ、その単語の定義を英語で確認する。単語の小テストで再度確認し、新単語を定着させる。
B.：医療系の専門語彙を語源を通して確認し、専門用語の語彙を増やしていく。
Ⅱ Reading Comprehennsion
本文の内容をクイズ形式で深く、理解し、本文の内容を英語や日本語で要約する。
Ⅲ Practice Conversation
医療現場の看護師と患者の英語の会話を聞き、空欄に当てはまる語句を書き取るリスニングテストを実施する。
Ⅳ 医療現場の看護師と患者のロール・プレイ
・ユニットで扱ったテーマに沿って簡単なリサーチを行う。
・自分の考えを日本語で書き出し、アウトラインを構成する。
・“Useful Expressions”や本文中の英語表現を用いて看護師と患者の役をロール・プレイで発表する。
Ⅴ Activities
非言語コミュニケーションには、おじぎ、握手、顔の表情などノン・バーバルコミュニケーションがある。興味のある国をひとつ選び、ペア―ワークでその国の非言語コミュニケーションを調べ、動作とその意味を英語でまとめ、プレゼンテーションする。
【フィードバックの方法】
提出されたリアクション・ペーパーをクラス全体に匿名で紹介し、コメントする。

準備学習（予習・復習）

【授業時間外に必要な学習の時間：15時間】
【予習】
① 教科書の各問いに答える。
② わからない語句の発音と意味を調べ、ノートを作る。
【復習】
①音声ファイルを聞きながら、Practice Conversationの空欄を埋める。
②音声ファイルを聞きながら、会話の英語の発音練習をする。

授業内容(シラバス)

到達目標

(1) 専門的分野での英語による情報理解ができるようになる。
(2) 専門的なトピックにおいての批判的思考能力を身に付ける。
(3) 専門的分野で具体例を示しながら、英語による論理的な説明ができるようになる。また、専門知識を持たないひとにも分かりやすく説明するコミュニケーション能力も身につける。

成績評価の方法と基準

試験方法：筆記試験 実施時期：試験期間外
リアクションペーパーおよびリスニングテスト（10％）、ロール・プレイなどの評価（10％）、オンラインの英語学習の成果（10％）、期末試験（70％）を総合して評価する。

学生へのメッセージ（その他注意等）

楽しみながら、英語に触れられるようにテキストは皆さんの興味ある医療・看護を主題したものを選びました。実際に英語を使う場面を想定しながら、授業に取り組んでください。毎回の授業スタート時に各自で「今日の授業でここだけは覚えよう！」という目標を決めましょう。毎回の授業終了時に、リアクション・ペーパーとして「今日の授業で気づいたことや学んだこと」を書いて提出してもらいます。（重要な問題や課題については次回の授業でコメントします。）受け身の姿勢ではなく、自ら考え、何か新たな気づきを得られるような積極的な姿勢で毎回の授業に取り組んでください。語学の学習は「継続は力なり。」です。学習を継続すれば、必ず上達します。将来に結びつく英語の基礎をしっかりこの機会に習得してください。夢の実現のために一緒に頑張りましょう。　

教員免許取得のための選択科目

教材