Web Syllabus(講義概要)
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心理学B
英文名Psychology B
科目概要2025年度 後期/2単位
授業対象指定なし(HS学科臨床心理学コース,OT専攻,ST専攻を除く) 火1or火2/ [必修]OT専攻 火1or火2/ [必修]ST専攻 火1or火2
科目責任者中山 友則
担当者中山 友則
備考科目ナンバリング:L101-HS20/授業形態:講義

授業の目的

人間の心について,実験や調査を行い,科学的に検討するのが心理学である。その研究対象は人間の広い意味での行動であり,その行動がなぜ生起したのか,その背後にある心の動きを考えていく。では,実際にそうした人間行動に対して現代の心理学はどう説明するのか。心理学の考え方や研究成果の解説をし,それを通して,人間理解に必要な知識,考え方を習得する。また,心理学研究で示される心の話題は,日常経験と異なることもある。それらを知ることによって,各自の心に対する理解をさらに深めることを目的とする。

教育内容

現代心理学のうち学習心理学や認知心理学といった内容を扱う(心理学Aとは異なる内容である)。これらは主に人間の知がどのように獲得・形成されるのかといった問題と関連する。こうした内容を,心理学で行われている実験の体験なども行いながら解説していく。

教育方法

【この授業は全て対面で実施します】
スライドとそれをPDF化した資料を活用しながら講義形式で進める。資料は授業前に事前にアップロードするため各自で確認すること。ダウンロード可の設定にする(著作物を除く)ため,目を通し,自身の興味・関心などを明確化しておくことを推奨する。授業後には,授業参加の有無と授業理解度を確認し,平常点の資料とするため,リアクション・ペーパーを提出してもらう。それらの回答や意見に対して,次回の授業で教員から回答をフィードバックする。
【フィードバックの方法】
リアクション・ペーパーに記述された内容から質問を中心にピックアップし,教員の回答を含めて資料と同様にPDFにしてアップロードする。また,次回授業時に口頭での補足も行う。リアクション・ペーパーの内容によってはその後の授業回で体系的に取り扱うこともある。

準備学習(予習・復習)

【授業時間外に必要な学習の時間:60時間】
予習:次回の授業のキーワードについて,配布資料,書籍やWeb等で調べ,概要を把握しておくように。
復習:配布資料を再読し,学んだ概念の具体例を自分自身の中に探す。授業で紹介する文献や資料を読む。

授業内容(シラバス)

担当者項目内容
1中山 友則
心理学とは何か特に今後の内容と関わることから心理学の歴史について触れながら,心理学とは何かについて解説する。授業の進め方と評価方法についても説明する。
2中山 友則
学習心理学1:条件づけ人間は生まれてからさまざまな事を学習するが,そうした学習の基礎的なメカニズムはどうなっているのか。日常で利用されることも多い条件づけについて解説する。
3中山 友則
学習心理学2:条件づけ以外の学習前回に引き続き,人間の学習について条件づけ以外の学習,特に社会的学習について解説する。また,学習心理学の手法を応用している心理療法についても触れる。
4中山 友則
知覚心理学1:視覚人間のものを見る仕組みがどうなっているのか。我々が最終的に感じているのは物理世界そのものではなく,脳によって処理された世界である。この好例が錯視である。錯視を実際に提示しながら,物理世界と知覚世界の違いについて解説する。
5中山 友則
知覚心理学2:視覚以外人間の情報の大部分は視覚からであるが,それ以外の感覚の仕組みはどうなっているのか。視覚以外の感覚の特徴について,関連する現象も取り上げながら解説する。
6中山 友則
認知心理学1:記憶と忘却これ以降,何回かにわたり記憶について説明するにあたり,そもそも心理学において記憶がどう定義されているのかや,記憶の分類について解説する。また,記憶することに対して,忘却するとは何かについても解説する。
7中山 友則
認知心理学2:短期記憶(作動記憶)短期記憶は「今、私(自分)」が行っているさまざまな活動と関連する記憶である。実験の体験を通して,短期記憶について解説するとともに,それが障害された場合にどのような困難が考えられるのかも解説する。
8中山 友則
認知心理学3:長期記憶より良く覚えたい,ということは多くの人が思ったことがあるだろう。それには長期記憶が深くかかわってくる。長期記憶について解説し,よりよく覚えるためのさまざまな記憶方法について紹介する。
9中山 友則
認知心理学4:日常認知認知は人間の日々のさまざまな活動と密接な関係にある。現在ではそうした日常の中での認知の役割について活発に研究がなされている。どういった日常認知研究があるのか,そこから得られた知見が本当に日常に還元されているのかについて解説・考察する。
10中山 友則
認知心理学5:目撃証言,虚記憶目撃証言とは,事件や事故の目撃者が経験した出来事の記憶に基づいて報告することであり,記憶が関わってくる。では,その記憶に基づく目撃証言は正確なのだろうか。目撃証言を歪める要因や,正確な情報を得る方法について解説する。また,近い話として虚記憶についても説明する
11中山 友則
意識と脳,高次脳機能障害人間の心の大部分はおそらく脳に基盤があると考えられる。では脳を損傷してしまった場合にはどのような問題が生じるのか。脳損傷における事例を紹介し,脳と心の問題について考える。
12中山 友則
思考・推論・意思決定・問題解決1:問題解決,意思決定問題解決のプロセスと種々の問題解決の手法として,試行錯誤学習,類推,洞察,アルゴリズムとヒューリスティックスについて解説する。
13中山 友則
思考・推論・意思決定・問題解決2:思考・推論帰納的推論と演えき的推論をめぐる人間の論理的思考の特徴について解説するとともに,創造的思考とは何かについて考察する。
14中山 友則
言語心理学人間はコミュニケーションの主な手段として言語を利用する。では我々はどのように言語を獲得していくのだろうか。言語の発達について解説するとともに,言語が果たす役割について考える。
15中山 友則
総括これまでの授業を振り返る。
No. 1
担当者
中山 友則
項目
心理学とは何か
内容
特に今後の内容と関わることから心理学の歴史について触れながら,心理学とは何かについて解説する。授業の進め方と評価方法についても説明する。
No. 2
担当者
中山 友則
項目
学習心理学1:条件づけ
内容
人間は生まれてからさまざまな事を学習するが,そうした学習の基礎的なメカニズムはどうなっているのか。日常で利用されることも多い条件づけについて解説する。
No. 3
担当者
中山 友則
項目
学習心理学2:条件づけ以外の学習
内容
前回に引き続き,人間の学習について条件づけ以外の学習,特に社会的学習について解説する。また,学習心理学の手法を応用している心理療法についても触れる。
No. 4
担当者
中山 友則
項目
知覚心理学1:視覚
内容
人間のものを見る仕組みがどうなっているのか。我々が最終的に感じているのは物理世界そのものではなく,脳によって処理された世界である。この好例が錯視である。錯視を実際に提示しながら,物理世界と知覚世界の違いについて解説する。
No. 5
担当者
中山 友則
項目
知覚心理学2:視覚以外
内容
人間の情報の大部分は視覚からであるが,それ以外の感覚の仕組みはどうなっているのか。視覚以外の感覚の特徴について,関連する現象も取り上げながら解説する。
No. 6
担当者
中山 友則
項目
認知心理学1:記憶と忘却
内容
これ以降,何回かにわたり記憶について説明するにあたり,そもそも心理学において記憶がどう定義されているのかや,記憶の分類について解説する。また,記憶することに対して,忘却するとは何かについても解説する。
No. 7
担当者
中山 友則
項目
認知心理学2:短期記憶(作動記憶)
内容
短期記憶は「今、私(自分)」が行っているさまざまな活動と関連する記憶である。実験の体験を通して,短期記憶について解説するとともに,それが障害された場合にどのような困難が考えられるのかも解説する。
No. 8
担当者
中山 友則
項目
認知心理学3:長期記憶
内容
より良く覚えたい,ということは多くの人が思ったことがあるだろう。それには長期記憶が深くかかわってくる。長期記憶について解説し,よりよく覚えるためのさまざまな記憶方法について紹介する。
No. 9
担当者
中山 友則
項目
認知心理学4:日常認知
内容
認知は人間の日々のさまざまな活動と密接な関係にある。現在ではそうした日常の中での認知の役割について活発に研究がなされている。どういった日常認知研究があるのか,そこから得られた知見が本当に日常に還元されているのかについて解説・考察する。
No. 10
担当者
中山 友則
項目
認知心理学5:目撃証言,虚記憶
内容
目撃証言とは,事件や事故の目撃者が経験した出来事の記憶に基づいて報告することであり,記憶が関わってくる。では,その記憶に基づく目撃証言は正確なのだろうか。目撃証言を歪める要因や,正確な情報を得る方法について解説する。また,近い話として虚記憶についても説明する
No. 11
担当者
中山 友則
項目
意識と脳,高次脳機能障害
内容
人間の心の大部分はおそらく脳に基盤があると考えられる。では脳を損傷してしまった場合にはどのような問題が生じるのか。脳損傷における事例を紹介し,脳と心の問題について考える。
No. 12
担当者
中山 友則
項目
思考・推論・意思決定・問題解決1:問題解決,意思決定
内容
問題解決のプロセスと種々の問題解決の手法として,試行錯誤学習,類推,洞察,アルゴリズムとヒューリスティックスについて解説する。
No. 13
担当者
中山 友則
項目
思考・推論・意思決定・問題解決2:思考・推論
内容
帰納的推論と演えき的推論をめぐる人間の論理的思考の特徴について解説するとともに,創造的思考とは何かについて考察する。
No. 14
担当者
中山 友則
項目
言語心理学
内容
人間はコミュニケーションの主な手段として言語を利用する。では我々はどのように言語を獲得していくのだろうか。言語の発達について解説するとともに,言語が果たす役割について考える。
No. 15
担当者
中山 友則
項目
総括
内容
これまでの授業を振り返る。

到達目標

知覚・認知心理学を中心にこれまでの研究成果,理論などを知り,他者に概要を説明できる。
心理学研究の方法について知り,科学的な方法によって意見を述べるという点の重要さを理解し,自身の物事への考え方を深める。

成績評価の方法と基準

試験方法:レポート 実施時期:試験期間外
毎回提出してもらうリアクション・ペーパーにもとづく平常点(50%)および学期末のレポート(50%)により総合評価する。

学生へのメッセージ(その他注意等)

リアクション・ペーパーには,その回の授業でどのようなことが理解できたか,自分のこれまでの体験とつなげてどのようなことを考えたか,あるいは疑問に思ったことなどを中心に,積極的に書き込んでもらいたいと思います。なお,直接的に授業に関係がないものでも,心理学(もっと言えば人)に関わることであれば書き込んでもらって構いません。上に書いたように,質問を中心にフィードバックで返答するか,授業に取り入れるかをしたいと思います。

教材

種別書名著者・編者発行所定価(円)
教科書毎回プリント資料を配付する。
参考書はじめて出会う心理学(第3版)長谷川・東条・大島・丹野・廣中有斐閣アルマ2,200円
参考書よくわかる心理学無藤・森・池上・福丸ミネルヴァ書房3,300円
参考書心理学 新版 (New Liberal Arts Selection)無藤・森・遠藤・玉瀬 著有斐閣4,620円
教科書
署名
毎回プリント資料を配付する。
著者・編者
発行所
定価(円)
参考書
署名
はじめて出会う心理学(第3版)
著者・編者
長谷川・東条・大島・丹野・廣中
発行所
有斐閣アルマ
定価(円)
2,200円
参考書
署名
よくわかる心理学
著者・編者
無藤・森・池上・福丸
発行所
ミネルヴァ書房
定価(円)
3,300円
参考書
署名
心理学 新版 (New Liberal Arts Selection)
著者・編者
無藤・森・遠藤・玉瀬 著
発行所
有斐閣
定価(円)
4,620円