英文名 | Psychology A/ Psychology A(Introduction to Psychology) | |
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科目概要 | 2025年度 前期/2単位 | |
授業対象 | 指定なし(HS学科臨床心理学コース,OT専攻,ST専攻を除く) 火1or火2or水1or水2/ [必修]HS学科臨床心理学コース 火1or火2or水1or水2/ [必修]OT専攻 火1or火2or水1or水2/ [必修]ST専攻 火1or火2or水1or水2 | |
科目責任者 | 中山 友則 | |
担当者 | 中山 友則 | |
備考 | 科目ナンバリング:L101-HS19/授業形態:講義 |
人間の心について,実験や調査を行い,科学的に検討するのが心理学である。その研究対象は人間の広い意味での行動であり,その行動がなぜ生起したのか,背後にある心の動きを考えていく。では,実際にそうした人間行動に対して現代の心理学はどう説明するのか。心理学の考え方や研究成果の解説し,それを通して,人間理解に必要な知識,考え方を習得する。また,心理学研究で示される心の話題は,日常経験と異なることもある。それらを知ることによって,各自の心に対する理解をさらに深めることを目的とする。
現代心理学のうちパーソナリティ(個性と関わる)や動機づけ(やる気を起こさせるなど),人間関係,発達(人はどのように成長するのか)といったテーマを中心に概説する(心理学Bとは異なる内容である)。こうした内容は,日常においても比較的身近に,具体的な経験があることも多い。解説することで,目的に述べた人間理解,日常と心理学との違いについて考えていくことになる。また,性格や発達では障害,症例に関係する内容も解説する機会がある。知識を得,各自がそうした問題を考える機会を持ってもらう。また,内容に関連した心理テスト(調査や実験)を体験してもらい実際の心理学研究に触れる機会を数回設ける予定である。
【この授業は全て対面で実施します】
スライドとそれをPDF化した資料を活用しながら講義形式で進める。資料は授業前に事前にアップロードするため各自で確認すること。ダウンロード可の設定にする(著作物を除く)ため,目を通し,自身の興味・関心などを明確化しておくことを推奨する。授業後には,授業参加の有無と授業理解度を確認し,平常点の資料とするため,リアクション・ペーパーを提出してもらう。それらの回答や意見に対して,次回の授業で教員から回答をフィードバックする。
【フィードバックの方法】
リアクションで記述された内容から質問を中心にピックアップし,教員の回答を含めて資料と同様にPDFにしてアップロードする。また,次回授業時に口頭での補足も行う。リアクションの内容によってはその後の授業回で体系的に取り扱うこともある。
【授業時間外に必要な学習の時間:60時間】
予習:次回の授業のキーワードについて,配布資料,書籍やWeb等で調べ,概要を把握しておくように。
復習:配布資料に再度目を通し,学んだ概念の具体例を自分自身の中に探す。授業で紹介する文献や資料を読む。
回 | 担当者 | 項目 | 内容 |
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1 | 中山 友則 | 心理学とは何か | 人に心があるということを心理学ではどう考え,どのようにアプローチするのか,そして,心理学が目指すところは何か,心理学で何がわかるかについて解説する。授業の進め方と評価方法についても説明する。 |
2 | 中山 友則 | パーソナリティ心理学1:類型論的な考え方 | 人間の広い意味での性格についての考え方の一つである類型論について,その代表的な理論を解説する。また,この類型論に分類される心理テストも行う予定である。 |
3 | 中山 友則 | パーソナリティ心理学2:特性論的な考え方 | 人間の広い意味での性格についての考え方の一つであり,現在の主流的な考え方にもつながっている特性論について,その代表的な理論を解説する。また,この特性論に分類される心理テストも行う予定である。 |
4 | 中山 友則 | 動機づけ1:内発的動機付け,外発的動機付け | 人はなぜ行動するのか。行動を引き起こす原因としての動機の機能と種類について,さまざまな観点(内発的動機づけと外発的動機づけ,欲求階層説など)から解説する。また,動機づけの傾向などを測定する心理テストも行う予定である。 |
5 | 中山 友則 | 動機づけ2:欲求不満,適応など | 欲求が満たされないとき人はどのように振る舞うのか,欲求不満の原因,欲求不満耐性,適応と不適応の問題を考える。 |
6 | 中山 友則 | 社会心理学1:対人認知(バイアス等) | 私たちが他者と出会ったとき,どのような情報に基づいてその人物を評価,判断するのか,そうした評価がさまざまな情報に左右されるといった対人認知の際の歪みについて解説する。 |
7 | 中山 友則 | 社会心理学2:態度(態度,説得) | 他者に対する評価がなされれば,その人物に対する態度が形成される。態度とは何か,また,そうした態度を変容させるにはどうすれば良いのかについて解説する。 |
8 | 中山 友則 | 社会心理学3:態度(援助や魅力) | 他者に対する態度の一つとして,実際に援助を行う,魅力を感じるといったものがある。他者を助ける行為はどういった理由から起きるのか。また,他者が助けを必要とする状況でありながら助けないという行動はどうして起きるのか,どういった人が魅力的な人として捉えられるかについても解説する。 |
9 | 中山 友則 | 感情心理学 | 他者に対する態度には感情も含まれる。人の感情にはどういったものがあるのか,また,感情はどのように生起するのかについて解説する。また,感情を理解できない障害についても解説する。 |
10 | 中山 友則 | 集団心理 | 心理学における集団は広く言えば他者がいる状況である。他者がいる状況で個人の行動がどのように変わるのか,また,集団で物事を実行するとどういったことが起こるのかについて解説する。 |
11 | 中山 友則 | 発達心理学1:遺伝と環境 | 人が発達するとはどういうことか,また,発達はどのように規定されるのかについて,発達研究の歴史を踏まえながら解説する。 |
12 | 中山 友則 | 発達心理学2:子供の発達 | 青年期以前の子供がどのように発達していくのかについて,ピアジェの認知発達理論や愛着の発達について解説する。また,そうした年齢期にみられる発達の障害についても解説する。 |
13 | 中山 友則 | 発達心理学3:青年以降の発達 | エリクソンの生涯発達理論の概要を解説するとともに,青年期以降のこころの発達過程を辿る。 |
14 | 中山 友則 | 教育心理学 | これまでの内容を踏まえつつ,主に乳児期から青年期にかけての人間の精神および知能の発達や人格形成などと教育の関係を取り上げる教育心理学について解説する。 |
15 | 中山 友則 | 総括 | これまでの授業を振り返る。 |
パーソナリティ心理学,社会心理学,発達心理学を中心にこれまでの研究成果,理論などを知り,他者に概要を説明できる。
また,心理テストも含めて心理学の心に対する考え方を理解することで,自身の心についても改めて見つめ理解をより深める。
また,これらを通して,他者理解に対する姿勢を深める。
試験方法:レポート 実施時期:試験期間外
毎回提出してもらうリアクション・ペーパーにもとづく平常点(50%)および学期末のレポート(50%)により総合評価する。
リアクション・ペーパーには,その回の授業でどのようなことが理解できたか,自分のこれまでの体験とつなげてどのようなことを考えたか,あるいは疑問に思ったことなどを中心に,積極的に書き込んでもらいたいと思います。なお,直接的に授業に関係がないものでも,心理学(もっと言えば人)に関わることであれば書き込んでもらって構いません。上に書いたように,質問を中心にフィードバックで返答するか,授業に取り入れるかをしたいと思います。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 | 定価(円) |
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教科書 | 毎回教員が作成した資料を用意する | 円 | ||
参考書 | はじめて出会う心理学(第3版) | 長谷川・東条・大島・丹野・廣中 | 有斐閣アルマ | 2,200円 |
参考書 | よくわかる心理学 | 無藤・森・池上・福丸 | ミネルヴァ書房 | 3,300円 |
参考書 | 心理学 新版 (New Liberal Arts Selection) | 無藤・森・遠藤・玉瀬 著 | 有斐閣 | 4,620円 |