英文名 | History A | |
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科目概要 | 2025年度 前期/2単位 | |
授業対象 | 指定なし 火4or金3or金4 | |
科目責任者 | 畠山 禎 | |
担当者 | 畠山 禎 | |
備考 | 科目ナンバリング:L101-HS17/授業形態:講義 |
本講義では、今日、われわれの社会が抱えているさまざまな問題を念頭に置きながら、ヨーロッパやアメリカ、アジアの歴史を振り返っていきます。冷戦終結後の世界では、グローバル化と新自由主義の台頭、中国など新興国の急成長、地域的な紛争の多発、移民の増加など、新たな問題が生まれています。それにともなって、社会や家族、ライフスタイルのあり方も大きく変化しています。それらの問題の歴史的背景を理解するために、この講義では15世紀以降、ヨーロッパを中心に世界が一体化し、新しい国家や社会のしくみが形作られていった過程を学んでいきます。また、歴史学の授業をつうじて、大学での学びの基礎となる学術的な発想方法や表現方法を身につけていきます。
この授業の内容は大きく3つに分かれます。まず、第二次世界大戦後の欧米諸国や中国、韓国の歴史を大まかに把握したうえで、現在、これらの国々が抱えている社会保障問題や人口・家族問題について考察します。つづいて、15世紀の「大航海時代」以降、ヨーロッパを中心に世界が一体化していった過程をみていきます。最後に、19世紀のヨーロッパにおいて急速に商工業が発展し、国民を基礎とした国家が形成され、今日のわれわれの社会や家族、ライフスタイルの原型が出現する過程について論じます。〈キーワード:グローバル化/ヨーロッパ/工業化/国民国家/社会/家族〉
【この授業は全て対面で実施します】
パワーポイントを活用しながら講義形式で進めます。プリントとして概説、新聞記事、図版などを配布します。映像教材も利用します。授業に集中し、あとで見返して話の流れや要点がつかめるようにノートをとって下さい。小論文やレポートの書き方、論述式試験の答案作成方法について、ポイントをわかりやすく説明します。
フィードバックの方法:中間テストの答案を返却し、良かった点や改善が必要な点についてコメントします。リフレクション・ペーパーを活用し、科目担当者と受講生が意見を交換できるようにします。
課題図書:なし。講義プリントを配布します。参考書を授業中に紹介します。
予習:参考書に目を通し、概要を把握しておいて下さい。
復習:講義ノートや配布資料の内容を確認し、理解を深めて下さい。授業で学んだことに留意しながら課題に取り組んで下さい。
予習・復習に必要な時間:60時間。
回 | 担当者 | 項目 | 内容 |
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1 | 畠山 禎 | 授業ガイダンス | 授業の日程と進め方/全体の内容とポイント/評価方法など |
2 | 畠山 禎 | 欧米諸国の社会保障政策と家族(その1) | 資本主義と社会主義/社会主義体制のもとでどのような問題が深刻化したのか? |
3 | 畠山 禎 | 欧米諸国の社会保障政策と家族(その2) | 社会主義国ソ連の建国、資本主義国の動向/北欧諸国とアメリカ合衆国の社会保障システムはどのような点で異なっているのか?/社会保障に対する考え方の違い |
4 | 畠山 禎 | 中国の歴史と現在(その1) | 第二次世界大戦後の中国の歴史/現在の中国はどんな国? |
5 | 畠山 禎 | 中国の歴史と現在(その2) | 「一人っ子政策」は何をもたらしたのか? |
6 | 畠山 禎 | 韓国の歴史と現在 | 第二次世界大戦後の韓国の歴史/現在の韓国はどんな国?/韓国は「少子高齢化問題」にどのように取り組んでいるのか? |
7 | 畠山 禎 | 小論文・レポートの書き方、中間テスト | 小論文やレポートを作成する際のポイント/これまでの授業内容について、理解度を確認します。 |
8 | 畠山 禎 | 「大航海時代」 | 15世紀のヨーロッパにおいて、人びとはなぜ遠洋航海を始めたのか?なぜ遠洋航海が可能になったのか?/ヨーロッパ人によるラテン・アメリカの征服/「三角貿易」 |
9 | 畠山 禎 | 世界の一体化 | 世界の一体化プロセスを理解するうえで有用な「近代世界システム論」/「近代世界システム」に組み込まれた国・地域では、どのような変化がみられたのか? |
10 | 畠山 禎 | 前工業時代の社会と人口 | 商工業が発展する前のヨーロッパの農村で、人びとはどのような一生を送ったのか?/なぜ、ヨーロッパは「人口停滞」社会から「人口増加」社会へと転換したのか? |
11 | 畠山 禎 | 前工業時代の家族 | 商工業が発展する前のヨーロッパでは、人びとにとって農村共同体や家族はどのような存在だったのか? |
12 | 畠山 禎 | 近代ヨーロッパの国家と社会(その1) | 商工業が急速に発展した結果、ヨーロッパの人びとの暮らしはどのように様変わりしたのか?/工業の急成長はどのような社会問題を引き起こしたのか? |
13 | 畠山 禎 | 近代ヨーロッパの国家と社会(その2) | 国民国家(特定の民族により構成された国民を基礎に形成された国家)はどのようにして生まれたのか?/ナチス=ドイツのホロコーストはなぜ起こったのか? |
14 | 畠山 禎 | 新しい家族の登場 | 商工業の発展や都市の成長にともない、どのような家族が出現したのか? |
15 | 畠山 禎 | まとめ | 講義全体のまとめ/個別指導 |
①現代の社会問題やその解決方法について、具体的に論じることができる。
②近現代の世界史やヨーロッパ社会史の流れを大まかに把握できる。
③自分自身の考えを分かりやすい文章で表現することができる。
試験方法:筆記試験 実施時期:試験期間内
授業中の中間テストの成績(40%)と定期試験の成績(60%)にもとづいて評価します。欠席回数に応じて減点します。
これまで歴史の勉強は「苦手だ」、「退屈でつまらなかった」と感じている人も、気軽に受講して下さい。この授業では社会や家族といった身近なテーマを取り上げて、世界の歴史を振り返っていきます。社会の現状に対して問題意識を持ち、積極的な態度で講義に参加して下さい。受講生のみなさんから新鮮な意見が聞けることを楽しみにしています。
オフィスアワーは火曜日の昼休み~午後2時半、金曜日の午後4時半~ です。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 | 定価(円) |
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教科書 | 毎回、資料を配布します。 | 円 | ||
参考書 | ヨーロッパの家族史 | 姫岡とし子 | 山川出版社 | 787円 |
参考書 | 啓蒙の世紀と文明観 | 弓削尚子 | 山川出版社 | 787円 |
参考書 | その他の参考書は教養図書館の「授業ナビ」コーナにあります。 | 円 |