Web Syllabus(講義概要)
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文化人類学A(「当たり前」のことの相対化、そして再認識へ。)
英文名Cultural Anthropology A
科目概要2025年度 前期/2単位
授業対象指定なし 水1or水2
科目責任者宮下 克也
担当者宮下 克也
備考科目ナンバリング:L101-HS11/授業形態:講義

授業の目的

 「人類学は人間に向かって大きな鏡を差し出し、無限の変化を示す己の姿をそこに見てとらせる」〜クライド・クラックホーン〜
 これは、半世紀前にある文化人類学者が著書『Mirror For Man(人間のための鏡)』で述べた言葉である。本講義では、グローバル化が進む21世紀社会のなかで、他者と共生していくために必要な下記の視点を身につけることを目標とする。
1. 自文化を最高のものとみなし、それを基準として異文化を捉えようとする自文化中心主義的態度を否定する視点
2. すべての文化には独自の意味体系があることを認めた上で、異文化を理解しようとする文化相対主義的視点
3. “Mirror For Man”としての文化人類学的視点を身につけることを目指す。

教育内容

私たちは、自分の育った社会の文化的価値観を自然と身につけ、それを基準に異文化をみてしまう。本講義では、こうした人間に潜む自文化中心的思考を自覚することから始まり、それを批判しつつ異文化の多様な価値観を考察することを目指す。また、異文化を知ることで、自文化において「常識=当たり前」とされていることを相対化し再検討してみたい。

教育方法

【この授業は全て対面で実施します】
・講義形式で行う  ・映像や音楽を必要に応じて用いる。
・リアクションペーパーを課し、授業の理解度を確認する場合もある。
・特定のテキストは使用しない。テーマ毎に参考文献を紹介する。
【フィードバックの方法】
フィードバックに関しては、リアクションペーパーにて行う。

準備学習(予習・復習)

【講義時間外に必要な学習の時間:合計60時間】
予習:シラバスと事前に配布されたレジュメを読み、指定さえたキーワードや自分で関心のあるワードに関してインターネットや図書館で調べておくこと(1時間)。
復習:レジュメを見直し、担当講師が講義の中で発した「問題」に関してインターネットや図書館などを利用しさらに深い理解を目指し自分の考えをレジュメの余白部分にまとめておくこと(3時間)。

授業内容(シラバス)

担当者項目内容
1宮下 克也
「私」と「あなた」の違い-他者理解への第一歩-
「差異」をキーワードに他者の存在を考える。
2宮下 克也
文化とは?
学説史を通して文化人類学者の「文化」に対する考えを紹介する。
3宮下 克也
ジェンダー
「僕たち」/「私たち」は、生まれながらにして「男である」/「女である」のか? それとも後天的に「男になる」/「女になる」のか?
4宮下 克也
通過儀礼-社会的に「大人」になる方法-
年齢を重ね身体が成長すれば自然に「大人」になれるのだろうか? 社会のなかで「大人になる」ということは、いかなることなのか?
5宮下 克也
ケガレ論
「秩序」・「境界」・「認識」をキーワードに社会におけるケガレを考える。
6宮下 克也
交換論-社会・人間関係をみる方法-
お歳暮やクリスマスプレゼントが果たす社会的機能とは? 多様な交換形態を紹介し、交換論から社会関係や人間関係の分析を試みる。
7宮下 克也
宗教と世界観
宗教や世界観から社会を分析する。
8宮下 克也
前半のまとめ
これまでの流れの総復習
9宮下 克也
身体と知識-身体がおぼえている知識/言語化されない知識-
「われわれは語れる以上のことができる」(M.ポランニー)。このポランニーのことばを手がかりに身体に埋め込まれいる知識について考えたい。
10宮下 克也
共同性と暴力-「お笑い」と「狂気」は紙一重?-
冗談を言ったはずが「笑えないよ!」と怒りをかう。なぜ怒りをかうのか?—G.ベイトソンのコミュニケーション理論から共同性とその逸脱について考える。
11宮下 克也
親族・家族・民俗生殖理論
父子あるいは母子の関係は、文化によって多様である。各文化の民俗生殖理論を通して、親子・家族・親族といった「当たり前」の概念・関係を相対化し、さらには近年の生殖医療についての検討も試みる。
12宮下 克也

死、他界、そして死者になることを考える。
13宮下 克也
生命の比較文化
胎児は「人」なのか?キリスト教的世界観と日本における「胎児」に対する認識の相違を検討する。
14宮下 克也
質的研究法としての人類学
人類学の調査・研究法について。
15宮下 克也
まとめ
講義の総まとめ
No. 1
担当者
宮下 克也
項目
「私」と「あなた」の違い-他者理解への第一歩-
内容
「差異」をキーワードに他者の存在を考える。
No. 2
担当者
宮下 克也
項目
文化とは?
内容
学説史を通して文化人類学者の「文化」に対する考えを紹介する。
No. 3
担当者
宮下 克也
項目
ジェンダー
内容
「僕たち」/「私たち」は、生まれながらにして「男である」/「女である」のか? それとも後天的に「男になる」/「女になる」のか?
No. 4
担当者
宮下 克也
項目
通過儀礼-社会的に「大人」になる方法-
内容
年齢を重ね身体が成長すれば自然に「大人」になれるのだろうか? 社会のなかで「大人になる」ということは、いかなることなのか?
No. 5
担当者
宮下 克也
項目
ケガレ論
内容
「秩序」・「境界」・「認識」をキーワードに社会におけるケガレを考える。
No. 6
担当者
宮下 克也
項目
交換論-社会・人間関係をみる方法-
内容
お歳暮やクリスマスプレゼントが果たす社会的機能とは? 多様な交換形態を紹介し、交換論から社会関係や人間関係の分析を試みる。
No. 7
担当者
宮下 克也
項目
宗教と世界観
内容
宗教や世界観から社会を分析する。
No. 8
担当者
宮下 克也
項目
前半のまとめ
内容
これまでの流れの総復習
No. 9
担当者
宮下 克也
項目
身体と知識-身体がおぼえている知識/言語化されない知識-
内容
「われわれは語れる以上のことができる」(M.ポランニー)。このポランニーのことばを手がかりに身体に埋め込まれいる知識について考えたい。
No. 10
担当者
宮下 克也
項目
共同性と暴力-「お笑い」と「狂気」は紙一重?-
内容
冗談を言ったはずが「笑えないよ!」と怒りをかう。なぜ怒りをかうのか?—G.ベイトソンのコミュニケーション理論から共同性とその逸脱について考える。
No. 11
担当者
宮下 克也
項目
親族・家族・民俗生殖理論
内容
父子あるいは母子の関係は、文化によって多様である。各文化の民俗生殖理論を通して、親子・家族・親族といった「当たり前」の概念・関係を相対化し、さらには近年の生殖医療についての検討も試みる。
No. 12
担当者
宮下 克也
項目

内容
死、他界、そして死者になることを考える。
No. 13
担当者
宮下 克也
項目
生命の比較文化
内容
胎児は「人」なのか?キリスト教的世界観と日本における「胎児」に対する認識の相違を検討する。
No. 14
担当者
宮下 克也
項目
質的研究法としての人類学
内容
人類学の調査・研究法について。
No. 15
担当者
宮下 克也
項目
まとめ
内容
講義の総まとめ

到達目標

・文化相対主義的視点の理解。
・論理的思考ができるようになること。

成績評価の方法と基準

試験方法:筆記試験。論述形式で、問いに対して講義で学習した理論や概念を正しく使用して 論理的に説明ができているか否かを採点の基準とする。 実施時期:試験期間内
リアクションペーパーも評価の対象とする。評価の内訳はレポート試験80%、リアクションペーパーが20%。

学生へのメッセージ(その他注意等)

知的好奇心が旺盛で学習意欲のある学生の受講を望みます。受講者には、〔授業中の私語厳禁〕と〔授業開始後、30分以降の入室厳禁〕を厳守してもらいます。

教材

種別書名著者・編者発行所定価(円)
教科書
参考書文化人類学[カレッジ版] 第3版波平恵美子医学書院
2630
教科書
署名
著者・編者
発行所
定価(円)
参考書
署名
文化人類学[カレッジ版] 第3版
著者・編者
波平恵美子
発行所
医学書院
定価(円)

2630