英文名 | Political Science B | |
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科目概要 | 2025年度 後期/2単位 | |
授業対象 | 指定なし 金1or金2 | |
科目責任者 | 杉山 亮 | |
担当者 | 杉山 亮 | |
備考 | 科目ナンバリング:L101-HS10/授業形態:講義 |
「人は一人では生きていけない」。今更繰り返すまでもない事実であろう。だが、自分以外の人間と折り合いを付けながら生きていくのは案外難しい。見ず知らずの赤の他人とならなおさらだ。人と人が協力し合いながら生活するには、どうしたって交渉し何らかの同意を取り付ける必要がある。「政治」はその瞬間に必ず現れる現象である。誰かと生きていく以上は政治から逃れることはできないのだ。では、どうすれば政治と上手にお付き合いできるのだろうか。人々は頭を悩ませながら様々な知恵を見出してきた。その知恵は現代日本でも種種の政治制度やルールという形で活かされている。しかし、どんなに優れた仕組みも動かし方を知らなければ意味がない。そこで本講義では、この日本に存在する政治の仕組みとその動かし方を紹介する。
日本の政治制度を紹介しながら、実際に政治を”動かす”とはどのようなことをなのかを検討する。
【この授業は全て対面で実施します】
原則として対面で行う。講義ごとにプリント(レジュメ)を配布し、解説する。講義終了時には感想や質問を書いたコメントペーパーの提出を求める。授業資料ならびに課題の提示はGoogle Classroomを通じて行う。電子メールなど他のオンラインツールも使用する可能性がある。また、講義方法に変更がある場合は第1回ガイダンスで告知する。
【フィードバックの方法】授業内容に関する質問への応答、ならびに提出された課題に対する全体講評は毎回の講義冒頭で行う。しかし、講義内容によっては授業資料のみで行う場合もある。
【講義時間外に必要な学習の時間:60時間】
予習:各回の内容に関係のある新聞記事などを読み、政治現象への興味を深める(各回1時間)
復習:講義動画を見直しながら、身の回りの政治現象に政治学的知見の応用を考える(各回1時間)
回 | 担当者 | 項目 | 内容 |
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1 | 杉山 亮 | イントロダクションー政治へのかかわり | 本科目の狙い、授業の進め方、成績評価の方法などの説明 |
2 | 杉山 亮 | 住民として政治にかかわる-住民運動 | 政治への関心の糸口となる身近な生活上の不安や不満を解決するための運動について紹介する。 |
3 | 杉山 亮 | 市民として政治にかかわる-社会運動 | 政治的な価値や理念に基づいて政治に影響を与える営みであるデモや請願、陳情などの社会運動について紹介する。 |
4 | 杉山 亮 | 組織を介して政治にかかわる-利益団体 | 同業団体や労働組合、宗教団体などの組織と政治とのかかわりについて検討する。 |
5 | 杉山 亮 | 地方で政治家になるということ | 地方議会の議員や地方自治体の首長は何をしているのだろうか。日常生活に直結しながら、あまり紹介されることがない地方政治家の役割について紹介する。 |
6 | 杉山 亮 | 市区町村の政策過程 | 市区町村の政策はどのように決まるのだろうか。行政と地方政治家の関係を中心に紹介する。 |
7 | 杉山 亮 | 地方自治の現状と課題 | 日本の地方自治体はどのような現状にあり、抱えている課題について検討する。 |
8 | 杉山 亮 | 誰が国会議員になるのか | 国会議員はどんな人がなるのだろうか。国会議員になりたがる人の関心や属性、関心を持つに至る経緯について検討する。 |
9 | 杉山 亮 | 国会議員の作り方 | 政党によるリクルートや立候補、公認などの候補者の選定プロセスについて説明する。 |
10 | 杉山 亮 | 国会議員のお仕事 | 国会議員は普段何をしているのだろうか。政党の中と国会での審議を中心に紹介する。 |
11 | 杉山 亮 | 国会の外側と内側 | 国会議員の仕事場は国会だけではない。選挙区とのかかわりや官僚との関係について説明する。 |
12 | 杉山 亮 | 国と国とのお付き合い | 政治は一国の中でだけで完結するわけではない。政治家や外交官が担当する国と国とのお付き合い、外交について説明する。 |
13 | 杉山 亮 | 国境を超える政治-国際機構・NGO・連帯 | 現代では、外交の担い手は国に限られない。国際連合をはじめとする国際機構や非政府組織は国家すら動かす力を秘めている。また、近年目立ってきたのがSNSなどを用いた国境を越えた組織化されない連帯である。国家に限られない国際政治の現状について説明する。 |
14 | 杉山 亮 | ポストトゥルースの政治 | インターネット・SNSの普及によって、誰もが情報の発信者になれるようになった。その反面、デマや誤情報が社会にあふれかえり、政治の動向すら左右しつつある。情報化社会の政治の現状と課題について検討する。 |
15 | 杉山 亮 | 質疑応答 | 質疑応答・個別相談 |
①政治という営為の特質を理解するにあたって必要となる基礎的な概念・理論を習得することができる。
②政治に対する観点(パースペクティヴ)の多様性をふまえつつ、政治において生じる諸問題を複数の観点から分析することができる。
③ごく身近な日常生活のうちにある「政治」の契機を見出し、「批判的」に物事を考えることができる。
試験方法:レポート 実施時期:
レポート:70%、平常点:30%
平常点について:講義ごとに意見・感想を書いたコメントペーパーの提出を求める。提出されたものの内、講義に資すると思われるものは次回講義の冒頭で紹介する。1回紹介されるごとに平常点3点を加算する。
レポートについて:授業期間中にテーマを出題し、それに基づく論述を求める。
・受講者の理解度に応じて授業計画・授業内容を一部変更する可能性がありますので、ご了承ください。
・講師の発問には誤解や未熟を恐れず積極的に反応してください。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 | 定価(円) |
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教科書 | (なし) | |||
参考書 | 『権力を読み解く政治学』 | 羅芝賢、前田健太郎 | 有斐閣 | 2,400円 |
参考書 | 『政治参加論』 | 蒲島 郁夫/境家 史郎 | 東京大学出版会 | 3,190円 |
参考書 | 『政治学者、PTA会長になる』 | 岡田憲治 | 毎日新聞出版社 | 1,760 |