英文名 | Political Science A | |
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科目概要 | 2025年度 前期/2単位 | |
授業対象 | 指定なし 金1or金2 | |
科目責任者 | 杉山 亮 | |
担当者 | 杉山 亮 | |
備考 | 科目ナンバリング:L101-HS09/授業形態:講義 |
宙を駈ける星は天体望遠鏡を使わなければ見えない。細菌は顕微鏡、ウィルスは電子顕微鏡、体内の様子は内視鏡を使わなければ観察できない。いずれも、目に入っているにもかかわらず、遠すぎたり小さすぎたりして見えなかったり、皮膚・筋肉に覆われて見えなかったりするのである。人間は見えないものを見るために多くの器具を開発してきた。政治も同様である。普段何気なく目にしているだけでは観察できないし、まして理解することはできない。政治を観察し、それについて考えるためには特殊な概念や用語を必要とする。本講義では政治、特に日本のそれを考える上で必要な概念を紹介する。
本講義では、政治を考える上で必須となる概念を学習する。具体的には”政治”という現象がどのようなものとして考えられてきたのか、政治を動かす力はいかなるものか、どのような政治を目指すべきと考えられてきたのか、などを検討する。
【この授業は全て対面で実施します】
原則として対面で行う。講義ごとにプリント(レジュメ)を配布し、解説する。講義終了時には感想や質問を書いたコメントペーパーの提出を求める。授業資料ならびに課題の提示はGoogle Classroomを通じて行う。電子メールなど他のオンラインツールも使用する可能性がある。また、講義方法に変更がある場合は第1回ガイダンスで告知する。
【フィードバックの方法】授業内容に関する質問への応答、ならびに提出された課題に対する全体講評は毎回の講義冒頭で行う。しかし、講義内容によっては授業資料のみで行う場合もある。
【講義時間外に必要な学習の時間:60時間】
予習:原則として不要である。講義で課題が出された場合は、その課題について良く考えておくこと。
復習:教科書、参考書、そのほか授業内で紹介した文献を読み、授業内容に関する理解を深めること。また、時事問題に関するニュースを多様なメディアを通じて積極的に吸収していくことも有効である。
回 | 担当者 | 項目 | 内容 |
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1 | 杉山 亮 | イントロダクションー政治とは何か | 本科目の狙い、授業の進め方、成績評価の方法などの説明 |
2 | 杉山 亮 | 権力論事始め | 政治を駆動する力である権力について考える |
3 | 杉山 亮 | 権力を探り出す | 権力は社会のどこに見出せるのだろうか。目に見えず触れられもしない権力を見出し、分析するために考案された様々な方法を紹介する。 |
4 | 杉山 亮 | 型にはめる権力 | 20世紀に入ると権力が存在する社会構造がむしろ権力の主体を規定したり、社会構造が権力者と権力を振るわれる者を規定するのだという見方が出て来た。ここではミシェル・フーコーの権力論を紹介する。 |
5 | 杉山 亮 | 隠蔽する/見え方を変える権力 | 権力は人に何かを強制するだけではない。事実を人々の目から隠し、物事の見方を変化させる権力も存在する。そんな微細な形で働く権力について検討する。 |
6 | 杉山 亮 | 「デモクラシー」って何だろう? | 耳にしない日はない「デモクラシー」。だが、その意味するところは必ずしも自明ではない。どのような状態が理想的なデモクラシーなのだろうか。デモクラシーの理想とはどこにあるのだろうか。 |
7 | 杉山 亮 | 「代表制」を考える | 「誰かが誰かを代表する」なんて本当に可能なのだろうか?どうやったら代表したことになるのだろうか。代表制とデモクラシーの関係を検討する。 |
8 | 杉山 亮 | 政治に参加する-政治参加- | 人は何故投票に行くのだろうか?投票以外に政治に意志を届ける方法は無いのだろうか?人が政治にかかわる時はどんな時だろうか? |
9 | 杉山 亮 | 政治意識 | 人々の政治に対する考え方や価値観は政治をどのように変えるのだろうか。社会を形作る無数の人間たちの政治に対する考え方を捉え、政治に生かす方法はあるのだろうか? |
10 | 杉山 亮 | 選挙制度が作る政治のかたち | 選挙は単なる多数決ではない。投じられた一票の数え方によって政治のかたちが変化する。様々な選挙制度をそれが織りなす政治の風景と併せて考えてみよう。 |
11 | 杉山 亮 | 「政党」って何だろう? | 「政党」ほど胡散臭い目で見られる言葉もないだろう。では、政党は何故必要なのだろうか。何をしているのだろうか。 |
12 | 杉山 亮 | 政党組織 | 政党は無数の人間たちの意見を一つの主張や政策にまとめ上げている。それを可能にするのが政党組織による「党内民主主義」である。政党内でどのような意見調整が行われているのか見てみよう。 |
13 | 杉山 亮 | 政党システムと政党間協力 | 政党が複数存在し、競合する状態を「政党システム」という。この政党システムはどのようにして生まれ、機能するのだろうか。そして、政党の中で行政府を差配する勢力が作るものが「政権」である。政権はいかにして生まれるのか。 |
14 | 杉山 亮 | 政権と意思決定 | 政党も政権も無数の人の集まりである以上、意思決定には複雑なプロセスがいる。また、政権の意志がそのまま政策になるわけではない。政策についての考え方を見てみよう。 |
15 | 杉山 亮 | 質疑応答 | 講義総括・質疑応答・レポートに関する質問受付 |
①政治という営為の特質を理解するにあたって必要となる基礎的な概念・理論を習得することができる。
②政治に対する観点(パースペクティヴ)の多様性をふまえつつ、政治において生じる諸問題を複数の観点から分析することができる。
③ごく身近な日常生活のうちにある「政治」の契機を見出し、「批判的」に物事を考えることができる。
試験方法:レポート 実施時期:
レポート:70%、平常点:30%
平常点について:講義ごとに意見・感想を書いたコメントペーパーの提出を求める。提出されたものの内、講義に資すると思われるものは次回講義の冒頭で紹介する。1回紹介されるごとに平常点3点を加算する。
レポートについて:授業期間中にテーマを出題し、それに基づく論述を求める。
・受講者の理解度に応じて授業計画・授業内容を一部変更する可能性がありますので、ご了承ください。
・講師の発問には誤解や未熟を恐れず積極的に反応してください。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 | 定価(円) |
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教科書 | (なし) | |||
参考書 | 『ここから始める政治理論(有斐閣ストゥディア)』 | 田村哲樹、松元雅和、乙部延剛、山崎望 | 有斐閣 | 2,090円 |
参考書 | 『新版 現代政治理論(有斐閣アルマ)』 | 川崎修、杉田敦(編) | 有斐閣 | 2,200円 |
参考書 | 『政治学への第一歩(有斐閣ストゥディア)』 | 砂原庸平、稗田健志、多湖淳 | 有斐閣 | 2,090円 |
参考書 | 『政治学(第2版)』 | 川出吉枝/谷口将紀 | 東京大学出版会 | 2,420円 |
参考書 | 『政治学入門―歴史と思想から学ぶ(有斐閣ストゥディア)』 | 河野有理、犬塚元、森川輝一 | 有斐閣 | 2,530円 |