
| 英文名 | Economics A | |
|---|---|---|
| 科目概要 | 2025年度 前期/2単位 | |
| 授業対象 | 指定なし 水1or水2or木1or木2 | |
| 科目責任者 | 赤澤 とし子 | |
| 担当者 | 赤澤 とし子 | |
| 備考 | 科目ナンバリング:L101-HS05/授業形態:講義 | |
現代社会のさまざな出来事、私たちが直面するさまざまな問題を経済との関係から捉え考える―経済学的な視点からもものごとを見る眼を養う―ことを目的とする。具体的には、本講義では社会保障の問題を取り上げる。社会保障制度は私たちの暮らしに直接大きく関わってくるものであり、その改革はわが国の重要政策課題である。病気になったとき、介護が必要になったときに安心して適切な医療や介護サービスを受けることができるのだろうか。老後の生活費となる年金は大丈夫なのだろうか。仕事と子育て、仕事と介護の両立はできるだろうか。もし、生活が困窮してしまったら…。こうした人々の不安要因に対処するための社会保障制度について、そのしくみを理解するとともに、制度のあり方を経済学的な視点からも考察し、自分なりの考えを述べられるようになることを目指す。
人口減少、少子高齢化の進展、厳しい財政状況、格差問題などが生じている中で、今、社会保障制度のあり方が問われている。本講義では、社会保障制度が私たちのライフサイクルとどう関わっているのかを概観し、わが国の社会保障制度の体系と財政状況、セーフティネットとしての社会保障の機能を説明する。医療保険、介護保険、年金保険といった社会保険を中心に、社会保障制度を構成する各制度の基本的しくみを解説するとともに、各制度の課題や改革の方向性を考える。
授業は対面の講義形式で行う。
教科書は使用せず、毎回、講義資料を配付する(Google Classroomに掲載する場合もある)。また、各テーマに関連するビデオを適宜活用し、理解や議論を深める一助としたい。
ここで取り上げる社会保障制度に関し、「今、何が問題で、その問題にどう向き合い、どのような解決策が考えられるか」を常に問うていきたい。
質疑応答は授業内やメールにて行う。
Google Classroomを利用することもあるので、受講生は必ず登録すること。クラスコードの提示等詳細は初回のガイダンス時に説明する。
【フィードバックの方法】
提出されたリアクション・ペーパーや課題に対しては、主要な意見や特徴的な興味深い見解を紹介したり、誤解のある点にコメントするなど講評を行う。
【予習・復習や課題提出のための学習時間を含め授業時間以外に必要な学習の総時間は60時間】
予習:講義で取り上げるテーマに関連するニュース等に目を配り、問題意識を持って自ら調べてみること。
復習:講義内容をノートにまとめ、問題点や課題、対策などについて、自ら検討してみること。
| 回 | 担当者 | 項目 | 内容 |
|---|---|---|---|
| 1 | 赤澤 とし子 | ガイダンス・イントロダクション | 講義の概要説明―社会保障とは何か。 講義の進め方や受講上の注意事項を説明する。 |
| 2 | 赤澤 とし子 | 少子・高齢、人口減少社会と社会保障 | 少子高齢・人口減少社会と向き合う。人口減少のメカニズム、少子化の人口学的要因、少子高齢化が社会保障制度に及ぼす影響などについて考える。 |
| 3 | 赤澤 とし子 | 社会保障制度の全体像 | 社会保障制度の体系と機能、社会保障制度を構成する各制度の概要を説明する。 |
| 4 | 赤澤 とし子 | 社会保障と財政 | 国の一般会計歳出の最大費目となっているのが社会保障関係費。今や社会保障制度を抜きに国の財政は語れないと言える。増大する社会保障給付費とその財源問題について考える。 |
| 5 | 赤澤 とし子 | 社会保障と経済 | 国民負担率と経済をめぐる議論、大きな政府か小さな政府か、社会保障と経済成長の関係などについて考える。 |
| 6 | 赤澤 とし子 | 「格差・貧困」と社会保障 | 格差拡大と貧困率上昇がもたらすものは。「貧困の連鎖」、「深刻化する子どもの貧困」、「格差・貧困」問題に対してどのような社会保障政策やその他の施策が必要かを考える。 |
| 7 | 赤澤 とし子 | 医療保険制度① | 保険診療のしくみと医療保険制度の体系について説明する。 |
| 8 | 赤澤 とし子 | 医療保険制度② | 医療保険制度の近年の改革と今後の課題:国保・被用者保険の財政運営の健全化、高齢者医療制度のあり方、「負担能力に応じた負担」などについて検討する。 |
| 9 | 赤澤 とし子 | 介護保険制度① | 介護保険制度創設の背景と介護保険制度の概要を説明する。 |
| 10 | 赤澤 とし子 | 介護保険制度② | 介護保険制度の近年の改革と今後の課題:費用負担のあり方、介護人材の確保・外国人材の受け入れ、介護離職問題、ヤングケアラー問題、家族介護者の働き方や家族介護者に必要な支援などについて考える。 |
| 11 | 赤澤 とし子 | 年金制度① | 公的年金制度の意義と制度のしくみを説明する。 |
| 12 | 赤澤 とし子 | 年金制度② | 公的年金制度の近年の改革と今後の課題:マクロ経済スライド、短時間労働者に対する被用者保険適用の更なる拡大、高齢期の年金受給のあり方、国民年金保険料納付期間の延長、世代間格差問題などについて考える。 |
| 13 | 赤澤 とし子 | 「全世代型」社会保障制度の構築 | 高齢者も若者も安心できる全世代型社会保障制度とは。深刻化する少子化問題を中心に、少子化対策とそれに必要な財源問題について考える。 |
| 14 | 赤澤 とし子 | ディスカッション | 講義で扱ったテーマについて、テーマ別に議論する。 |
| 15 | 赤澤 とし子 | まとめ | 講義全体のまとめ |
社会保障制度の意義を理解するとともに、その体系と機能、社会保険の基本的しくみを説明できるようになる。取り上げた社会保障制度の諸問題やその対応策について分析、自らの考えを論理的に述べることができるようになる。さまざまな社会問題、身近な社会の出来事を経済の側面(経済学的視点)からも捉え考えることができるようになる。
試験方法:筆記試験 実施時期:試験期間内
各回の課題やリアクション・ペーパー(25%)と期末試験(75%)に基づき、総合的に評価する。
社会保障制度は私たちの暮らしと密接に関わるものです。団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)になる2025年。そして2040年には団塊ジュニア世代がみな高齢者となり、高齢者人口がピークを迎え、現役世代が急速に減少する社会となります。こうした2040年代を見据えた社会保障制度改革が求められています。私たちに直接影響してくる問題です。日頃から、社会保障に関する話題に敏感になってみてください。そして自分自身で考えてみてください。自分自身の暮らしのことを、社会のことを・・・。
受講にあたってのより詳細な注意事項等は初回のガイダンスの際にお伝えします。
なお、授業内容・授業計画については、進捗状況などによって、多少変更する場合もあり得ますこと、ご了承ください。
| 種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 | 定価(円) |
|---|---|---|---|---|
| 教科書 | 教科書は使用せず、講義資料を配付する。 | 円 | ||
| 参考書 | 参考書は講義の中で適宜紹介する。 | 円 |