Web Syllabus(講義概要)
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信仰と救いA(世界や日本の宗教について知る)
英文名Religious Studies A
科目概要2025年度 前期/2単位
授業対象指定なし 月1or月2
科目責任者榎本 香織
担当者榎本 香織
備考科目ナンバリング:L101-HC11/授業形態:講義

授業の目的

科学の時代とされる今日の世界においてなお、宗教は無視できない影響力を持ち続けています。国際政治の場面において大きなニュースとなることも多いですが、わたしたちの身の回りでも宗教的なものの姿を目にすることは少なくありません。この授業では、世界や日本における様々な宗教の成り立ちと歴史的な展開を確認することで、現代に生きるわたしたちにとって宗教とは何かという問題を考えてみたいと思います。

教育内容

宗教の定義は複雑で、いざ考えると実は難しいです。前期ではまず宗教的行為が人類の始まりから既に存在していたところから始め、世界の代表的な宗教を取り上げたいと思います。人類の進化と宗教という大きな輪郭の話題から始まり、個別の宗教——ユダヤ教、キリスト教、イスラーム、仏教といった世界の宗教、日本の神道や民俗宗教や新宗教や現代宗教、そして多くの宗教で通底する代表的な宗教現象について触れていきます。

教育方法

【この授業は全て対面で実施します】
本講義ではパワーポイントを用い、レジュメを毎回配布します。必要に応じてAV機器も利用します。講義の合間にみなさんにも小さな話題を投げかけ、考えてもらうこともあります。
【フィードバックの方法】
講義の最後に毎回リアクションペーパーを記入、提出してもらいます。次回講義の初めにそれらのフィードバックを行います。

準備学習(予習・復習)

予習:講義のテーマに沿った本や紹介する参考書を読み、予め概略を確認する(2時間)
復習:講義内容を整理し、関連した本や論文を読んだり、身近な宗教施設について調べてみる(2時間)

授業内容(シラバス)

項目内容
1イントロダクション授業の進め方について説明。私たちが普段意識する「宗教(Religion)」とは何かについて、その語源を元に考えていきます。
2人類の歴史と宗教宗教はどのように誕生し発展したきたのかを、人類の進化(進化生物学)の観点から俯瞰していきます。
3宗教形態の基礎知識宗教の代表的な形態であるアニミズム、多神教、一神教などについて説明します。
4世界の主要な宗教(ユダヤ教)「戒律の宗教」と呼ばれるユダヤ教について、その歴史と信仰の特徴について触れていきます。
5世界の主要な宗教(キリスト教)キリスト教を開いたイエスについて、その時代背景と基本的な教えについて見ていきます。
6世界の主要な宗教(イスラーム)開祖ムハンマドの生きた時代とその生涯、イスラームの教えの特徴について見ていきます。
7世界の主要な宗教(仏教)開祖ブッダの生涯と教え、そしてブッダの死後仏教がどのように世界へ展開していったかを見ていきます。
8日本の宗教(仏教)中国から流入してきた大乗仏教が日本でどのように展開したか。歴史的な宗派の発生と宗派ごとの違いについて俯瞰します。
9日本の宗教(神仏習合)日本の仏教と神道は時に融合し、一つの宗教体系として長らく定着してきました。その中身について詳しく触れていきます。
10日本の宗教(民俗宗教、新宗教)日本文化の中で習慣的に私たちが行っている宗教行事や、普段は触れる機会が限定的な新宗教について見ていきます。
11日本の宗教(ニューエイジ、スピリチュアリティ)「○○教」という括りには入らない、20世紀後半より増加してきた宗教文化(ニューエイジ、スピリチュアリティ)の歴史と特徴について触れていきます。
12宗教現象について(祈り、儀礼)世界中の多くの宗教で共通してみられる現象である「祈り」「儀礼」とはいったい何かについて、改めて考えてみたいと思います。
13宗教現象について(シャーマニズム)宗教に特有の現象である「シャーマニズム(神など超自然的力と直接交信し、人間との間を取り持つ文化」について触れていきます。
14宗教現象について(カルト問題)私たちの社会においてしばしば耳にする「カルト」について、何が問題なのかについて触れていきます。
15まとめ前期のまとめ
No. 1
項目
イントロダクション
内容
授業の進め方について説明。私たちが普段意識する「宗教(Religion)」とは何かについて、その語源を元に考えていきます。
No. 2
項目
人類の歴史と宗教
内容
宗教はどのように誕生し発展したきたのかを、人類の進化(進化生物学)の観点から俯瞰していきます。
No. 3
項目
宗教形態の基礎知識
内容
宗教の代表的な形態であるアニミズム、多神教、一神教などについて説明します。
No. 4
項目
世界の主要な宗教(ユダヤ教)
内容
「戒律の宗教」と呼ばれるユダヤ教について、その歴史と信仰の特徴について触れていきます。
No. 5
項目
世界の主要な宗教(キリスト教)
内容
キリスト教を開いたイエスについて、その時代背景と基本的な教えについて見ていきます。
No. 6
項目
世界の主要な宗教(イスラーム)
内容
開祖ムハンマドの生きた時代とその生涯、イスラームの教えの特徴について見ていきます。
No. 7
項目
世界の主要な宗教(仏教)
内容
開祖ブッダの生涯と教え、そしてブッダの死後仏教がどのように世界へ展開していったかを見ていきます。
No. 8
項目
日本の宗教(仏教)
内容
中国から流入してきた大乗仏教が日本でどのように展開したか。歴史的な宗派の発生と宗派ごとの違いについて俯瞰します。
No. 9
項目
日本の宗教(神仏習合)
内容
日本の仏教と神道は時に融合し、一つの宗教体系として長らく定着してきました。その中身について詳しく触れていきます。
No. 10
項目
日本の宗教(民俗宗教、新宗教)
内容
日本文化の中で習慣的に私たちが行っている宗教行事や、普段は触れる機会が限定的な新宗教について見ていきます。
No. 11
項目
日本の宗教(ニューエイジ、スピリチュアリティ)
内容
「○○教」という括りには入らない、20世紀後半より増加してきた宗教文化(ニューエイジ、スピリチュアリティ)の歴史と特徴について触れていきます。
No. 12
項目
宗教現象について(祈り、儀礼)
内容
世界中の多くの宗教で共通してみられる現象である「祈り」「儀礼」とはいったい何かについて、改めて考えてみたいと思います。
No. 13
項目
宗教現象について(シャーマニズム)
内容
宗教に特有の現象である「シャーマニズム(神など超自然的力と直接交信し、人間との間を取り持つ文化」について触れていきます。
No. 14
項目
宗教現象について(カルト問題)
内容
私たちの社会においてしばしば耳にする「カルト」について、何が問題なのかについて触れていきます。
No. 15
項目
まとめ
内容
前期のまとめ

到達目標

宗教学の基本姿勢を身につけることで、宗教の本質と現象を学問的に把握することができる
世界の諸々の宗教に関する基礎的な知識を得ることで、柔軟な考え方を身に付ける
他者と自己の文化について知見を深め、現代社会の問題を的確に考察することができる

成績評価の方法と基準

試験方法:定期試験 実施時期:試験期間
毎回のリアクションペーパー提出(授業を通じて何を感じ、考えたかを纏める)により、授業内容がきちんと理解されているか、主体的に考察がなされているかを判定します。学期末にはそれまでの授業の総復習となるテストを定期試験期間中に行います。最終的にリアクションペーパーや授業時の参加態度などの通常時(履修登録期間を除く。50%)+期末定期試験(50%)で成績を付けます。

学生へのメッセージ(その他注意等)

宗教学は人間についての学問でもあります。人間の深みに至る学問であるがゆえに個人的な好き嫌いを感じたり、馴染みのない多くの信仰や儀礼のあり方を理解することは難しいかもしれません。しかし人々がそれらの背後で何を求めてきたのか、何を今も求めているのか考えることは、他者を(あるいは自分自身を)理解し受け入れることの第一歩となるでしょう。

教材

種別書名著者・編者発行所定価(円)
教科書(なし)
参考書エッセンシャル版 図解世界5大宗教全史中村圭志ディスカヴァー・トゥエンティワン1,320円
参考書100のインフォグラフィックで世界を知る 〈世にも美しい教養講義〉超図解・宗教マチュー・グランプレ他ディスカヴァー・トゥエンティワン2,200円
参考書いまを生きるための宗教学島園進、奥村倫明編丸善出版4,180円
教科書
署名
著者・編者
発行所
定価(円)
参考書
署名
エッセンシャル版 図解世界5大宗教全史
著者・編者
中村圭志
発行所
ディスカヴァー・トゥエンティワン
定価(円)
1,320円
参考書
署名
100のインフォグラフィックで世界を知る 〈世にも美しい教養講義〉超図解・宗教
著者・編者
マチュー・グランプレ他
発行所
ディスカヴァー・トゥエンティワン
定価(円)
2,200円
参考書
署名
いまを生きるための宗教学
著者・編者
島園進、奥村倫明編
発行所
丸善出版
定価(円)
4,180円