英文名 | Literature B | |
---|---|---|
科目概要 | 2025年度 後期/2単位 | |
授業対象 | 指定なし 火1 | |
科目責任者 | 野村 廣之 | |
担当者 | 野村 廣之 | |
備考 | 科目ナンバリング:L101-HC10/授業形態:講義 |
<キーワード:作品解釈/教養/思考力>フランツ・カフカの小説作品を題材にして、⽂学作品の分析・解釈の技法を修得してもらいます。本来、⽂学作品の楽しみ⽅は個々の読者に委ねられていて、読者は作品を⾃由に解釈することができます。しかし、作品分析・解釈の技法と呼ぶべきものがあり、これを知っていることによって、個々⼈の解釈も、より豊かなものとなり得るし、また⽂学作品を、よりよく楽しむことができるようになります。この授業の最終的な目的は、作品分析・解釈の技法を学ぶことによって、より豊かな教養を⾝につけるための有⼒な⼿段の⼀つを履修者が身につけることにあります。さらに、「分析・解釈する」とは「論理的に考える」ことに他なりません。フランツ・カフカの小説作品を分析・解釈するこの授業において、履修者にできるだけ「論理的に考えさせる」こと、さらには考える過程で「自分自身の内面を見つめなおさせる」こと、を私は意図しています。この授業は「論理的な思考力」「内省に至る思考力」を身につけるための訓練であり、「遊び」ではありません。
<キーワード:フランツ・カフカ/小説作品>この授業では、フランツ・カフカの小説作品を全部で10編取り上げ、それらの小説作品を分析し解釈してみようと思います。単に私が⾃分の分析と解釈を説明するだけでなく、受講者である君たち⾃⾝の分析と解釈もできるだけ披露してもらい、そうした双方向的な授業によって多様な解釈を⽣み出していきたいと思います。
<対面授業を行います>
*この授業は毎回教室で行う対面授業(講義型授業)です。しかし、履修者は、以下で説明する授業課題(予習課題)を提出するために、GoogleClassroom のこの授業のコースに必ず登録しなければなりません。GoogleClassroomへの登録の仕方は第1回目の授業時に説明します。
*毎週火曜日の授業の終わりに、次回授業のための授業課題を出題します。さらに、その日の午後、この授業のGoogleClassroomコース内にその日出題された授業課題の回答受付窓口を開設します。必ずGoogleドキュメントを使用して回答を作成し、それを4日後の土曜日の 15:00 までにGoogleClassroom内で提出してください。これが毎回の授業を受講するための予習となります。 また、どのような理由があろうとも、提出期限後の後出しは決して認めません。授業課題の回答は、オンラインで提出するので、たとえ新型コロナ・インフルエンザに感染した場合でも、配慮はしません。最初の授業課題は、第2回授業の終わりに出題する第3回授業のための授業課題となります。(第1回目の授業の終わりには授業課題は出題されません。)
【フィードバックの方法】
*授業課題の回答に対しては評価(点数付け)はしません。しかし、毎回20人程度の回答を添削して、回答者に返却します(仮に履修者が60人であるとすると、3回に1回自分の回答が添削されることになります)。また、授業課題に対する私自身の回答を授業内で説明します。さらに、履修者の回答例(良い回答例と悪い回答例)を、書いた人の氏名等を伏せた上で、授業内でいくつか紹介し、どこが良いのか、 どこが良くないのか、何が余計なのか、何が欠けているのか、どこに注意しなければいけないのか、どこをどう直せばよいのか、等々を説明するので、自分の回答が授業内で紹介される可能性があることをあらかじめ承知しておいてください。
【講義時間外に必要な学習の時間:60時間】
予習:その回の授業で取り上げるテクスト(短編であれば全テクスト、長編の場合は指定した部分テクスト)をあらかじめ必ず読んで、授業課題(予習課題)の回答を作成する。(毎回、2時間程度)
復習:授業内での分析・解釈と自分自身の分析・解釈の違いを確認し、自分の分析・解釈の妥当性を検証する。授業の内容に関して、別の意見や疑問があれば、GoogleClassroomのストリームを使用して質問するか、次回の授業内で口頭で質問する。(毎回、2時間程度)
回 | 担当者 | 項目 | 内容 |
---|---|---|---|
1 | 野村 廣之 | フランツ・カフカの生涯(1) | フランツ・カフカの生涯の前半部分について説明します。 |
2 | 野村 廣之 | フランツ・カフカの生涯(2) | フランツ・カフカの生涯の後半部分について説明します。 |
3 | 野村 廣之 | 短編「家長の心配」・「皇帝の使者」 | 短編「家長の心配」・「皇帝の使者」の作品分析と解釈を行う。 |
4 | 野村 廣之 | 短編「最初の苦悩」 | 短編「最初の苦悩」の作品分析と解釈を行う。 |
5 | 野村 廣之 | 短編「判決」 | 短編「判決」の作品分析と解釈を行う。 |
6 | 野村 廣之 | 短編「火夫」 | 短編「火夫」の作品分析と解釈を行う。 |
7 | 野村 廣之 | 中編「変身」 | 中編「変身」の作品分析と解釈を行う。 |
8 | 野村 廣之 | 長編「審判」(その1) | 長編「審判」の作品分析と解釈を行う。(その1) |
9 | 野村 廣之 | 長編「審判」(その2) | 短編「流刑地で」の作品分析と解釈を行う。(その2) |
10 | 野村 廣之 | 短編「流刑地で」 | 短編「流刑地で」の作品分析と解釈を行う。 |
11 | 野村 廣之 | 短編「断食芸人」 | 短編「断食芸人」の作品分析と解釈を行う。 |
12 | 野村 廣之 | 長編「城」(その1) | 長編「城」の作品分析と解釈を行う。(その1) |
13 | 野村 廣之 | 長編「城」(その2) | 長編「城」の作品分析と解釈を行う。(その1) |
14 | 野村 廣之 | 長編「城」(その3) | 長編「城」の作品分析と解釈を行う。(その3) |
15 | 野村 廣之 | 個別指導 | 個々の履修者の質問等に答える。 |
*フランツ・カフカの小説作品がどのような特徴を持つ作品であるのかを説明できる。
*この授業で学んだことを応用して、⽂学作品を自分なりに分析・解釈をすることができる。
*文学作品を読み、分析・解釈することを通して、⾃分⾃⾝の教養を深め、自分自身の内面を見つめなおすことができる。
試験方法:筆記試験 実施時期:試験期間内
平常点と期末試験をもとにして、成績評価を行います(平常点:50点満点、期末試験:50点満点、合計100点満点)。
平常点とは、毎回事前に出題する授業課題(予習課題)に対する回答提出状況に基づく点数です。授業課題(予習課題)の回答に対しては、基本的に、評価(点数付け)はしません。きちんと提出したかどうか、を問題とします。ただし、課題にきちんと答えていない場合は未提出扱いとします。なお、課題の回答は必ず無料ソフトであるGoogleドキュメントを使用して作成し、Googleドキュメントファイルとして提出しなさい。Googleドキュメントファイル以外のファイル形式の回答は、すべて未提出扱いとします。注意しなさい。予習課題回答の未提出(扱い)1回ごとに平常点50点満点から5点マイナスとします。また、どのような理由があろうとも、提出期限後の後出しは決して認めません。授業課題(予習課題)の回答は、オンラインで提出するので、たとえ新型コロナ・インフルエンザに感染した場合でも、配慮はしません。また、ChatGPT等の生成AIを使用したと判断される回答を提出した場合は、その時点で成績評価を不可とすることがあります。この授業の授業課題(予習課題)を作成する際には、決してChatGPT等の生成AIを使用してはならない。注意しなさい。
期末試験は、この授業の到達目標である「この授業で学んだことを応用して、⽂学作品を自分なりに分析・解釈することができる」が、どの程度達成されているかを確かめるための筆記試験です。
出欠席について:第3回授業から第14回授業までの12回分の授業において、4回以上欠席した場合は、不可とします。第1回第2回授業は試し期間として、不可となる要件には含めません。また、新型コロナ・インフルエンザ等の感染症のために欠席した場合や教職課程における介護体験のために欠席した場合は、事務室からの連絡に基づいて、出席扱いとします。
教科書(テキスト)について。この授業では、原田義人訳のカフカ作品の日本語訳をテキストとして使用し、カフカ作品の分析と解釈を行います。原田義人訳のカフカ作品の日本語訳は、青空文庫に収録されており、無料で読むことができます。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 | 定価(円) |
---|---|---|---|---|
教科書 | 原田義人訳のカフカ作品の日本語訳 | 青空文庫 | 無料 | |
参考書 | 『若き日のフランツ・カフカ』 | クラウス・ヴァーゲンバッハ | ちくま文庫 | 円 |
参考書 | 『フランツ・カフカ』 | マックス・ブロート | みすず書房 | |
参考書 | 筑摩世界文学大系『カフカ』 | フランツ・カフカ | 筑摩書房 |