Web Syllabus(講義概要)
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倫理学A
英文名Ethics A
科目概要2025年度 前期/2単位
授業対象指定なし 木1or木2/ P学部 金1or金2/ N学部 金1or金2/ A学部 金1or金2
科目責任者小林 亜津子
担当者小林 亜津子
備考科目ナンバリング:L101-HC07/授業形態:講義

授業の目的

科学技術の「進歩」は、人類に多くの恩恵を与えています。しかし、同時に、環境破壊を始めとした、人類の生存をも脅かしかねない数多くの問題をももたらしています。ヒトゲノム・プロジェクトによる遺伝子解読技術、体外授精や代理母等の生殖医療技術にみられる生命操作など、現代の最先端技術は今も驚異的な展開を示し、これまで考えられもしなかった様々な倫理問題を引き起こしています。授業では、科学技術が、人間の生命・環境・日常生活に大きく介入することによって生じてきた現代の倫理問題を検討していきます。

教育内容

生命倫理・環境倫理の代表的なトピックを毎回一つずつ取り上げ、具体的なケースを検討しながら、議論を整理していきます。技術の急速な進歩がつぎつぎと投げかける新しい問題に、倫理学が追いつかないという状況が生じていることを知ってもらいます。その上で、それぞれの技術に対するガイドラインを、皆さん自身に作成してもらいたいと思います。

教育方法

【この授業は全てオンラインで実施します】
教科書を2冊使用し、オンラインで行います。授業プリント等は、授業開始前にGoogle Classroom上で配布します。それぞれのテーマについて、教科書と講義映像を使いながら、具体的な事例に即して、授業を展開していきます。講義の終わりに、随時、その時々のテーマに応じたリアクションペーパーを書いて、Google Classroom上に提出してもらいます。【フィードバックの方法】印象的な意見などがあれば、適宜、紹介します。
【Google Classroomクラスコード】木1:sprrccx 木2:cukeznu 金1:mt2ept6 金2:mi5pp4n

準備学習(予習・復習)

【講義時間外に必要な学習の時間:60時間】
課題図書:小林亜津子著『はじめて学ぶ生命倫理』ちくまプリマー新書、2011年、小林亜津子著『看護のための生命倫理<改訂三版>』ナカニシヤ出版、2019年
予習:テーマに関連した記事をインターネットで検索したり、参考書内の該当するテーマの章に目を通しておく(120分程度)。
復習:授業ノートにもう一度目を通し、授業内で触れた事件等について自分で調べてみる(120分程度)。

授業内容(シラバス)

担当者項目内容
1小林 亜津子
授業ガイダンス
講義内容や授業の進め方、評価方法について説明する。
2小林 亜津子
ドーピングとスマートドラッグ
ドーピングやスマートドラッグはなぜいけないのか?エンハンスメント(治療を超えた医療的介入)の倫理問題を考える。
3小林 亜津子
DIと家族
DI(非配偶者間人工授精)によって子どもをもうけた夫婦やシングルマザーと、生まれた子どもとの関係をめぐる問題を検討していく。
4小林 亜津子
DIチルドレンの出自を知る権利
生物学上の父親を知りたい!と願うDIチルドレン(人工授精児たち)の心情と、ドナーや精子バンク側の対応について、現状を紹介しながら考えていく。
5小林 亜津子
脳死と臓器移植
脳死とはどのような状態か?それは人の「死」なのか?さらに子どもの臓器提供や親族優先提供など、移植医療のもたらす倫理問題を考える。
6小林 亜津子
いのちの始まりは誰が決めるのか
受精卵はいつから人になるのか?胎児は人間?ヒト胚や胎児の道徳地位と中絶をめぐる議論を紹介し、中絶胎児の組織利用やヒト胚の研究利用について考えていく。
7小林 亜津子
子どもの自己決定権
子どもが安楽死を希望したらどうするか?「親に言わないで」と言われたら?未成年者の医療同意や守秘義務について考える。
8小林 亜津子
安楽死
安楽死をめぐる現状と議論を紹介し、その倫理問題を検討していく。
9小林 亜津子
減胎(減数)手術
体外受精や人工授精による多胎妊娠と減胎手術。生殖医療技術の「裏側」に置き去りにされてきた問題を考える。
10小林 亜津子
真実を伝えること(病名告知)
患者に不治の病を告知することについて考える。
11小林 亜津子
代理母出産は許されるか
代理母出産によって生じてきたさまざまな倫理的トラブルを、アメリカのある家族のケースを中心に考えていく。
12小林 亜津子
アニマルライツ(動物の権利)
保健所にもち込まれた動物たちのゆくえとは?保健所の犬や猫の殺処分について、アニマルライツの観点から検討する。
13小林 亜津子
出生前診断
出生前診断と選択的人工妊娠中絶をめぐる倫理問題を検討していく。
14小林 亜津子
病院の不正を知ったらどうするか
ビジネスエシックス(企業倫理)内で提唱されているホイッスルブローイング(内部告発)を医療機関に適用できるかを考える。
15小林 亜津子
解説と確認
期末レポートについての確認および個別指導
No. 1
担当者
小林 亜津子
項目
授業ガイダンス
内容
講義内容や授業の進め方、評価方法について説明する。
No. 2
担当者
小林 亜津子
項目
ドーピングとスマートドラッグ
内容
ドーピングやスマートドラッグはなぜいけないのか?エンハンスメント(治療を超えた医療的介入)の倫理問題を考える。
No. 3
担当者
小林 亜津子
項目
DIと家族
内容
DI(非配偶者間人工授精)によって子どもをもうけた夫婦やシングルマザーと、生まれた子どもとの関係をめぐる問題を検討していく。
No. 4
担当者
小林 亜津子
項目
DIチルドレンの出自を知る権利
内容
生物学上の父親を知りたい!と願うDIチルドレン(人工授精児たち)の心情と、ドナーや精子バンク側の対応について、現状を紹介しながら考えていく。
No. 5
担当者
小林 亜津子
項目
脳死と臓器移植
内容
脳死とはどのような状態か?それは人の「死」なのか?さらに子どもの臓器提供や親族優先提供など、移植医療のもたらす倫理問題を考える。
No. 6
担当者
小林 亜津子
項目
いのちの始まりは誰が決めるのか
内容
受精卵はいつから人になるのか?胎児は人間?ヒト胚や胎児の道徳地位と中絶をめぐる議論を紹介し、中絶胎児の組織利用やヒト胚の研究利用について考えていく。
No. 7
担当者
小林 亜津子
項目
子どもの自己決定権
内容
子どもが安楽死を希望したらどうするか?「親に言わないで」と言われたら?未成年者の医療同意や守秘義務について考える。
No. 8
担当者
小林 亜津子
項目
安楽死
内容
安楽死をめぐる現状と議論を紹介し、その倫理問題を検討していく。
No. 9
担当者
小林 亜津子
項目
減胎(減数)手術
内容
体外受精や人工授精による多胎妊娠と減胎手術。生殖医療技術の「裏側」に置き去りにされてきた問題を考える。
No. 10
担当者
小林 亜津子
項目
真実を伝えること(病名告知)
内容
患者に不治の病を告知することについて考える。
No. 11
担当者
小林 亜津子
項目
代理母出産は許されるか
内容
代理母出産によって生じてきたさまざまな倫理的トラブルを、アメリカのある家族のケースを中心に考えていく。
No. 12
担当者
小林 亜津子
項目
アニマルライツ(動物の権利)
内容
保健所にもち込まれた動物たちのゆくえとは?保健所の犬や猫の殺処分について、アニマルライツの観点から検討する。
No. 13
担当者
小林 亜津子
項目
出生前診断
内容
出生前診断と選択的人工妊娠中絶をめぐる倫理問題を検討していく。
No. 14
担当者
小林 亜津子
項目
病院の不正を知ったらどうするか
内容
ビジネスエシックス(企業倫理)内で提唱されているホイッスルブローイング(内部告発)を医療機関に適用できるかを考える。
No. 15
担当者
小林 亜津子
項目
解説と確認
内容
期末レポートについての確認および個別指導

到達目標

生命倫理・環境倫理に託されている諸課題がいかに解決しがたく、また身近な問題であるかということについて、みずから考えることによって実感できる。

成績評価の方法と基準

試験方法:なし 実施時期:試験期間外
授業中に提出してもらうリアクションペーパー(70%)、14回目の授業で出してもらう総合課題(30%)の内容で評価します。但し、総合課題の提出は、単位付与の条件とします。
※詳細については、初回のガイダンス時に周知します

学生へのメッセージ(その他注意等)

この授業では、何かを「知る」というよりは、みずから問題意識をもって「考える」ことが求められます。安易に答えを出さず、ねばりづよく自分のスタンスの確立に努めてもらいたいと思います。文章を書いたり、考えることが好きな人、歓迎します。尚、本授業では抽選を行ないます。

教材

種別書名著者・編者発行所定価(円)
教科書はじめて学ぶ生命倫理ーいのちは誰が決めるのかー小林亜津子ちくまプリマー新書858円
教科書看護のための生命倫理<改訂三版>小林亜津子ナカニシヤ出版2,640円
参考書生殖医療はヒトを幸せにするのかー生命倫理から考えるー小林亜津子光文社新書836円
参考書QOLって何だろう-医療とケアの生命倫理-小林亜津子ちくまプリマ―新書858円
参考書生命倫理のレッスンー人体改造はどこまで許されるのか?ー小林亜津子筑摩書房1,210円
教科書
署名
はじめて学ぶ生命倫理ーいのちは誰が決めるのかー
著者・編者
小林亜津子
発行所
ちくまプリマー新書
定価(円)
858円
教科書
署名
看護のための生命倫理<改訂三版>
著者・編者
小林亜津子
発行所
ナカニシヤ出版
定価(円)
2,640円
参考書
署名
生殖医療はヒトを幸せにするのかー生命倫理から考えるー
著者・編者
小林亜津子
発行所
光文社新書
定価(円)
836円
参考書
署名
QOLって何だろう-医療とケアの生命倫理-
著者・編者
小林亜津子
発行所
ちくまプリマ―新書
定価(円)
858円
参考書
署名
生命倫理のレッスンー人体改造はどこまで許されるのか?ー
著者・編者
小林亜津子
発行所
筑摩書房
定価(円)
1,210円