英文名 | Philosophy of Science B | |
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科目概要 | 2025年度 後期/2単位 | |
授業対象 | 指定なし 火1or木2 | |
科目責任者 | 大石 敏広 | |
担当者 | 大石 敏広 | |
備考 | 科目ナンバリング:L101-HC04/授業形態:講義 |
現代社会においては、遺伝子組み換え作物、原子力発電所、再生医療などをめぐる科学(技術)の問題が重大なものとして生じてきています。現在、こうした問題に私たちはどのように向き合っていったらいいのかが問われています。この問いに答えるためには、問題を専門家任せにすることはできません。本講義では、現代社会において生じている科学(技術)に関連した問題をどのように解決していったらいいのかについて考えるための手掛かりを提供したいと考えています。
まず、現代社会と科学(技術)の関わりをめぐるトピックを取り上げ、できるだけ具体的な事例を挙げながら説明していきます。次に、そのトピックに関する課題を提示しますので、それについて各自考えて、それを文章に表現してもらいます。最後に、討論の場を設けて、自己表現に挑戦してもらいます。
【この授業は全て対面で実施します】
教科書は使用せず、必要に応じてプリントを配布します。パワーポイントとAV機器を使用します。ディスカッションの場を設けます。必要に応じてビデオを見ます。課題ワークを行う場合もあります。一方向的な講義ではなく、双方向的な講義を行ないます。
【フィードバックの方法】
課題ワークについて講義内で皆で議論をし、次の講義の最初で解説します。
【講義時間外に必要な学習の時間:60時間】
予習:下記に挙げた参考書やその他の文献における講義に関連する部分を読んでおく。
復習:講義資料やプリントを参考に、講義で取り上げたテーマに関する問題点を明確にして、それについての自分の考えをまとめておく。
回 | 担当者 | 項目 | 内容 |
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1 | 大石 敏広 | ガイダンス | 講義の目標・内容、講義方法、評価方法について説明をします。 |
2 | 大石 敏広 | 科学(技術)の問題とは何か | 科学(技術)というものに着目してみましょう。どのように科学(技術)についての問題が生じてきたのかを考えます。 |
3 | 大石 敏広 | 科学の客観性 | 科学は客観的? 科学の客観性とはどういうものか、科学は本当に客観的なのかについて考えます。 |
4 | 大石 敏広 | 科学の確実性 | 科学は本当に確実? 科学の確実性とはどういうものか、科学がどの程度の確実性を有しているのかについて考えます。 |
5 | 大石 敏広 | トランス・サイエンスの問題 | 現代社会には、トランス・サイエンスの問題がゴロゴロしています。科学(技術)は必要だが、科学(技術)だけでは解決できない問題について考えます。 |
6 | 大石 敏広 | 科学と公共性の繫がり | 科学(技術)は、社会から独立していません。現代社会において、科学(技術)を公共性の観点から見直すことの重要性について考えます。 |
7 | 大石 敏広 | 科学的合理性と社会的合理性 | 二つの合理性があります。科学的な妥当性によって保障される科学的合理性と、公共での妥当性によって保障される社会的合理性の違いについて考えます。 |
8 | 大石 敏広 | 科学コミュニケーションの重要性 | 科学(技術)とコミュニケーションのつながりに着目します。科学(技術)に関わる問題を解決していくうえでのコミュニケーションの重要性について考えます。 |
9 | 大石 敏広 | コンセンサス会議 | 私たちは、科学(技術)の問題について合意できるでしょうか。社会的意思決定に市民が積極的に参加していく可能性について考えます。 |
10 | 大石 敏広 | サイエンス・ショップ | 科学(技術)の問題を解決するためには協力が必要です。専門家と非専門家が協働して問題を解決していく可能性について考えます。 |
11 | 大石 敏広 | 科学哲学特殊講義Ⅰ | 科学哲学の文献を読解しながら、その内容について皆で議論をします。 |
12 | 大石 敏広 | 科学哲学特殊講義Ⅱ | 科学哲学の文献を読解しながら、その内容について皆で議論をします。 |
13 | 大石 敏広 | 科学哲学特殊講義Ⅲ | 科学哲学の文献を読解しながら、その内容について皆で議論をします。 |
14 | 大石 敏広 | 解説と討議 | これまで読解した科学哲学の文献についての質問に答えながら討議をします。 |
15 | 大石 敏広 | まとめ | これまでの講義の総括をします。 |
社会と科学(技術)の関わりについて考えることができるようになる。
現代社会において生じている科学(技術)の問題について理解できるようになる。
問題の解決法について理解できるようになる。
自分の意見をまとめることができるようになる。
自分の意見を発展させることができるようになる。
多元的な思考ができる。
自己表現ができる。
試験方法:なし 実施時期:
講義において提出してもらう課題ワーク(50%)、最終課題ワーク(50%)、討論参加状況によって成績評価します。なお、欠席は減点となります。
ワークの評価は、課題の内容を理解して自分の考えを提示しているかどうかを基準とします。
積極的な講義参加を希望します。講義のつながりがありますので、できるだけ休まないでください。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 | 定価(円) |
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教科書 | (なし) | |||
参考書 | テクノリテラシーとは何か | 齊藤了文 | 講談社 | 1,728円 |
参考書 | 市民科学者として生きる | 高木仁三郎 | 岩波書店 | 886円 |
参考書 | 原発事故はなぜくりかえすのか | 高木仁三郎 | 岩波書店 | 756円 |
参考書 | 誰が科学技術について考えるのか――コンセンサス会議という実験 | 小林傳司 | 名古屋大学出版会 | 3,888円 |
参考書 | 技術者倫理の現在 | 大石敏広 | 勁草書房 | 2,700円 |