英文名 | Philosophy of Science A | |
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科目概要 | 2025年度 前期/2単位 | |
授業対象 | 指定なし 火2or木1 | |
科目責任者 | 大石 敏広 | |
担当者 | 大石 敏広 | |
備考 | 科目ナンバリング:L101-HC03/授業形態:講義 |
現代社会は高度技術社会です。科学技術が社会の中に浸透しており、科学技術なしでは現代社会は成り立ちません。現代社会において私たちは、科学技術による恩恵のもとに生活しているのです。しかし、技術者が作ったものが時には、私たちに被害をもたらすこともあります。そこで、技術者が科学技術をどのように取り扱うべきかという問題について論じる技術者倫理という学問が成立しました。私たちも現代社会の一員である以上、科学技術をどのように取り扱っていくべきかという問題に無関心であってはなりません。本講義では、技術者倫理の問題を通して、現代社会において科学技術をどのように取り扱うべきかについて皆さんと考えていきたいと思います。
まず、技術者倫理の重要な論点を取り上げ、それぞれの論点ついて理解を深めていきます。次に、そうした理解を踏まえて、それぞれの論点について各自で思考をめぐらしてもらいます。最後に、議論の場を設け、自己表現に挑戦してもらいます。
キーワード:倫理的責任、倫理的問題、道徳的ジレンマ、リスク、安全、科学と環境、グローバルな視野、内部告発
【この授業は全て対面で実施します】
講義は、教科書を中心に行いますが、それ以外の内容も取り扱います。パワーポイントを利用し、パワーポイントの資料やプリントを配布します。課題ワークを行う場合もあります。必要に応じてビデオを見ます。一方向的な講義ではなく、双方向的な講義を行ないます。
【フィードバックの方法】
ワークについて講義内で皆で議論をし、次の講義の最初で解説します。
【講義時間外に必要な学習の時間:60時間】
予習:講義前に、教科書(できたら参考書も)の該当箇所を読んでおく。
復習:講義資料やプリントを参考に、再度教科書の該当箇所を読み、科学技術についての問題点をまとめる。
回 | 担当者 | 項目 | 内容 |
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1 | 大石 敏広 | ガイダンス | 講義目標、講義内容、講義方法、評価方法などについて説明します。科学技術の問題について誰が考えるべきかについて考えます。 |
2 | 大石 敏広 | 科学技術と技術者倫理 | 技術者倫理とは何か、なぜ技術者倫理が必要とされたのか、私たちは技術者倫理とどのようにつながっているのかについて説明します。 |
3 | 大石 敏広 | 科学技術と倫理的責任 | 科学技術は倫理とつながっています。科学技術を取り扱ううえで、どのような倫理的責任が必要とされるのかについて考えます。 |
4 | 大石 敏広 | 道徳的ジレンマ | 道徳的なジレンマが、重大な問題を引き起こす原因です。道徳的ジレンマとは何か、道徳的ジレンマと価値の問題がどのように関わっているのかについて考えます。 |
5 | 大石 敏広 | 倫理的問題の解決 | 科学技術が存在することによって、倫理的問題が生まれてきます。科学技術に関連して生じる倫理的問題をどのように解決していったらいいのかについて考えます。 |
6 | 大石 敏広 | 設計的思考 | 工学における設計という行為は興味深いものを含んでいます。工学の設計問題を解決する方法論が、倫理問題解決にどのように利用できるかについて考えます。 |
7 | 大石 敏広 | 科学技術のリスク・安全性 | 私たちの生活と科学技術のリスクは切っても切れない関係にあります。科学技術のリスク・安全性の問題において何が重要かについて考えます。 |
8 | 大石 敏広 | 科学技術と環境 | 科学技術について考えることは、環境について考えることです。科学技術は、環境破壊の主要原因だからです。科学技術が環境といかに関わっているかについて解説します。 |
9 | 大石 敏広 | 科学技術とグローバル化 | 科学技術とグローバル化がいかに関わっているかを理解し、どのようなグローバル的視野を持つべきかについて考えます。 |
10 | 大石 敏広 | 内部告発の問題 | 会社がひどい不正をしているとき、あなたは内部告発できますか。内部告発とは何か、どのような時に内部告発をすべきかについて考えます。 |
11 | 大石 敏広 | 内部告発の事例研究 | 内部告発についてのビデオを見て、どこに問題があるのか、自分は内部告発できるかなどについて考えます。 |
12 | 大石 敏広 | 科学哲学特殊講義Ⅰ | 科学哲学の文献を読解しながら、その内容について皆で議論をします。 |
13 | 大石 敏広 | 科学哲学特殊講義Ⅱ | 科学哲学の文献を読解しながら、その内容について皆で議論をします。 |
14 | 大石 敏広 | 解説と討議 | 科学哲学の文献についての質問に答えながら討議をします。 |
15 | 大石 敏広 | まとめ | これまでの講義の総括をします。 |
科学技術と社会・倫理のつながりについて理解できるようになる。
科学技術の問題点について実感できる。
自分の意見をまとめることができる。
自分の意見を発展させることができる。
多元的な思考ができる。
自己表現ができる。
試験方法:なし 実施時期:
講義において提出してもらう課題ワーク(50%)、最終課題ワーク(50%)、討論参加状況によって成績評価します。なお、欠席は減点となります。
ワークの評価は、課題の内容を理解して自分の考えを提示しているかどうかを基準とします。
この講義では、知識を得ることよりもむしろ、知識をもとに自ら考え、まとめ、表現することが求められます。積極的に講義に参加してもらいたいと思います。講義中にワークをするので、できるだけ休まないようにしてください。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 | 定価(円) |
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教科書 | 技術者倫理の現在 | 大石敏広 | 勁草書房 | 2,700円 |
参考書 | 技術者倫理の世界〈第3版〉 | 藤本温他 | 森北出版 | 2,052円 |
参考書 | はじめての工学倫理〈第3版〉 | 齊藤了文・坂下浩司編 | 昭和堂 | 1,512円 |
参考書 | 理系のための科学技術者倫理 | 直江清隆、盛永審一郎、大石敏広、他 | 丸善 | 2,592円 |