英文名 | Philosophy B | |
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科目概要 | 2025年度 後期/2単位 | |
授業対象 | 指定なし 火2or木1 | |
科目責任者 | 大石 敏広 | |
担当者 | 大石 敏広 | |
備考 | 科目ナンバリング:L101-HC02/授業形態:講義 |
環境哲学と呼ばれる学問があります。環境哲学では、環境問題の具体的なケースを扱うのではなく、環境問題の基礎を考察の対象としています。本講義では、環境哲学の基本的で重要なトピックを取り上げ、それについて理解を深めることによって、環境についての具体的な問題を解決していくための道筋・方法について皆さんと考えていきたいと思います。
まず、環境哲学のトピックを一つ一つ取り上げ、それについて説明していきます。次に、取り上げられたトピックに関連した課題を与えますので、それについて各自考えをめぐらせて、それを文章で表現してもらいます。最後に、討論の場を設けて、自己表現に挑戦してもらいます。
【この授業は全て対面で実施します】
講義では、教科書は使用せず、必要に応じてプリントを配布します。パワーポイントを用い、AV機器を利用します。課題ワークを行う場合もあります。ディスカッションの機会を設けます。一方向的な講義ではなく、双方的な講義を行ないます。
【フィードバックの方法】
ワークについて講義内で皆で議論をし、次の講義の最初で解説します。
【講義時間外に必要な学習の時間:60時間】
予習:下記に挙げた参考書を読んでおく。また、その他の哲学の本を読んで、講義に関連する箇所を参照する。
復習:講義資料やプリントを整理し、講義内容を理解して、自分の意見をまとめる。
回 | 担当者 | 項目 | 内容 |
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1 | 大石 敏広 | ガイダンス | 講義目標、講義内容、講義方法、評価方法などについて説明します。 |
2 | 大石 敏広 | 環境哲学とは何か | どうして環境について哲学するのでしょうか。なぜ環境哲学が生まれてきたのか、環境哲学の主張内容を解説します。 |
3 | 大石 敏広 | 〈自然〉をめぐる哲学の歴史 | 自然に目を向けましょう。人間の視点から自然を見る立場と、自然そのものの視点に立つ立場との対立について考えます。自然についての様々な考え方に触れます。 |
4 | 大石 敏広 | 非-人間中心主義の諸見解 | 人間を中心とする考え方(人間中心主義)に対して、人間を中心としない考え方(非-人間中心主義)が生まれてきました。非-人間中心主義の様々な見解に触れます。 |
5 | 大石 敏広 | 自然には〈内在的価値〉があるか | 自然の価値? 自然には、それ自体の価値があるのか、人間にとっての価値しかないのかについて考えます。 |
6 | 大石 敏広 | 土地倫理 | 「土地倫理」の「土地」とは、単なる「地面、つち」ではありません。レオポルドが提示した土地倫理という考え方を取り上げ、その土地倫理とはどういう考え方なのかを理解します。 |
7 | 大石 敏広 | 土地倫理を批判的に考察する | 前回の講義の続き。土地倫理を批判的視点から考察し、土地倫理が内包する問題点、土地倫理から学ぶべき点について考えます。 |
8 | 大石 敏広 | ディープ・エコロジー | ディープ・エコロジーという考え方が一頃注目されました。その主張内容について理解します。 |
9 | 大石 敏広 | ディープ・エコロジーを批判的に考察する | 前回の講義の続き。ディープ・エコロジーを批判的視点から考察し、ディープ・エコロジーが内包する問題点、ディープ・エコロジーから学ぶべき点について考えます。 |
10 | 大石 敏広 | 倫理学理論と環境プラグマティズム | 環境プラグマティズムは現在最も有力な考え方です。その主張内容を理解し、その問題点、そこから学ぶべき点について考えます。 |
11 | 大石 敏広 | 哲学特殊講義Ⅰ | 哲学の文献を読解しながら、その内容について皆で議論をします。 |
12 | 大石 敏広 | 哲学特殊講義Ⅱ | 哲学の文献を読解しながら、その内容について皆で議論をします。 |
13 | 大石 敏広 | 哲学特殊講義Ⅲ | 哲学の文献を読解しながら、その内容について皆で議論をします。 |
14 | 大石 敏広 | 解説と討議 | これまで読解した哲学の文献についての質問に答えながら討議をします。 |
15 | 大石 敏広 | まとめ | これまでの講義の総括をします。 |
環境問題に関する基礎的な議論において生じている対立を理解することができる。
多元的な思考ができる。
環境問題を解決する方法について考えるための補助線を得ることができる。
自分の意見をまとめ、他者と議論ができる。
試験方法:なし 実施時期:
講義において提出してもらう課題ワーク(50%)、最終課題ワーク(50%)、討論参加状況によって成績評価します。なお、欠席は減点となります。
ワークの評価は、課題の内容を理解して自分の考えを提示しているかどうかを基準とします。
どのような意見でもよいので、積極的に自分の意見を表現してください。連続した講義内容になることもあるので、できるだけ休まないようにしてください。疑問点などあれば、遠慮せずに質問してください。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 | 定価(円) |
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教科書 | (なし) | |||
参考書 | 新・環境倫理学のすすめ | 加藤尚武 | 丸善 | 842円 |
参考書 | 環境と倫理〈新版〉 | 加藤尚武編 | 有斐閣 | 1,944円 |
参考書 | 沈黙の春 | レイチェル・カーソン | 新潮社 | 679円 |
参考書 | 苦海浄土 | 石牟礼道子 | 講談社 | 720円 |
参考書 | 哲学は環境問題に使えるのかーー環境プラグマティズムの挑戦 | アンドリュー・ライト、エリック・カッツ | 慶應義塾大学出版会 | 5,400円 |