英文名 | The Constitution of Japan A | |
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科目概要 | 2025年度 前期/2単位 | |
授業対象 | 指定なし 火1 | |
科目責任者 | 猪瀬 貴道 | |
担当者 | 猪瀬 貴道 | |
備考 | 科目ナンバリング:L101-HS01/授業形態:講義 |
国家の基本法である「憲法」について学ぶことを通して、社会における責任ある一員として、個人の自由と社会的秩序が両立する社会の構築に寄与できるように成長するための土台をつくる。
日本の現行憲法である日本国憲法の「人権」に関する規定を中心に学ぶ。日本国憲法の条文に沿って、憲法が保障する基本的人権の意義、内容、およびその制約について基礎知識を修得するとともに、関連する重要事例を素材に憲法において人権が保障される意義を考える。具体的には下記の授業内容に沿って進めるが、進捗状況によって多少の調整を行う。
【オンライン授業科目】
本科目は、インターネットを用いた学習管理システム(LMS(Google Classroomを使用予定))を用いたオンライン方式で授業を行う。LMSへのリンクは北里大学一般教育部ウェブサイトに記載するので科目名、履修する曜日と時限に注意して各自で登録する。最新のブラウザが利用可能なパソコン(タブレット等を含む)および通信容量無制限(または大容量)のインターネット回線を準備することが望ましい。
【指示に従った事前学修】
まず、授業日から次の授業日までの間にLMS上の学修指示(各回の教科書のページの読み方のポイントなど)にしたがって、教科書を用いた自己学修を行う。調べた用語やポイントを整理した授業ノートを履修者自身が作成する。LMS上に設定された教科書の内容の理解を確認する課題を指定された日時までに解答・提出する。
【教員による解説動画の視聴】
授業日には、LMSにアップロードされて公開される教員による解説動画を視聴して、自分で作成したノートに追記や修正を行う。視聴後には、疑問を持った点や関心を持った点についてLMS上のコメントペーパーに入力する。
【フィードバックの方法】
LMSや教員による解説動画において学生からのコメントペーパーや課題について履修者全体に対してフィードバックする。
【授業時間外に必要な学習の時間:60時間(授業期間全体)】
※各授業回あたり予習・復習を合わせて約4時間の自己学習を想定しているが、自由に配分して良い(たとえば試験対策やレポート作成に重点的に時間を配分するなど)。また、以下の内容は参考例として記載するが履修者が自分で考えて下記の「到達目標」の達成に必要な内容で自由に実施する。
予習:日本国憲法の関連条文や教科書の該当ページに目を通しておき、わからない部分を把握しておく
復習:教科書やLMSに示された資料などを読み直して授業ノートを補足して整理する
回 | 担当者 | 項目 | 内容 |
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1 | 猪瀬 貴道 | 科目説明と導入 | 科目の位置づけ、授業の進め方(LMSの利用方法を含む)、成績評価の方法などの詳細、この科目で学ぶ内容の概要を説明する。2回目の授業回までにこの科目のLMSを必ず確認すること。 |
2 | 猪瀬 貴道 | 日本国憲法の成立 | 日本国憲法の成立過程、受容と定着の背景、大日本帝国憲法との比較とその異同について学ぶことで、日本国憲法の特徴を理解する。 |
3 | 猪瀬 貴道 | 基本的人権とは何か | 人権宣言の理念と歴史、人権保障の国際化、憲法上の権利の分類、人権の主体について学ぶことで、基本的人権の意義について理解する。 |
4 | 猪瀬 貴道 | 包括的基本権 | 幸福追求権、新しい人権、自己決定権など包括的基本権について学ぶ。(日本国憲法第13条)※以下(第◯条)は日本国憲法の条文番号を示す |
5 | 猪瀬 貴道 | 法の下の平等 | 平等権と平等原則について学ぶことで、法の下の平等について考える。(第10条・第14条) |
6 | 猪瀬 貴道 | 精神的自由(1) | 精神的自由のうち、思想・良心の自由、信教の自由、政教分離原則について学ぶ。(第19条・第20条) |
7 | 猪瀬 貴道 | 精神的自由(2) | 精神的自由のうち、表現の自由、報道の自由、知る権利について学ぶ。(第21条) |
8 | 猪瀬 貴道 | 精神的自由(3) | 精神的自由のうち、表現の自由の限界、集会の自由、学問の自由について学ぶ。(第21条・第23条) |
9 | 猪瀬 貴道 | 人身の自由 | 人身の自由として位置づけられる、奴隷的拘束からの自由、刑事手続の原則を学ぶ。(第18条・第31条~第39条) |
10 | 猪瀬 貴道 | 経済的自由 | 経済的自由の内容、経済的自由に対する規制、財産権の保障について学ぶ。(第22条・第29条) |
11 | 猪瀬 貴道 | 社会権的基本権(1) | 社会権の基本的な考え方について理解して、生存権、教育を受ける権利を学ぶ。(第25条~第26条) |
12 | 猪瀬 貴道 | 社会権的基本権(2) | 社会権のうち、労働基本権について学ぶ。(第27条~第28条) |
13 | 猪瀬 貴道 | 国務請求権と参政権 | 国家賠償請求権、刑事補償請求権、参政権、請願権について学ぶ。(第17条・第40条・第32条・第15条・第16条) |
14 | 猪瀬 貴道 | 人権の実現と統治のしくみ | ここまで学んできた日本国憲法による人権保障の全体像、人権と憲法上の権利、平等と自由の関係について整理した上で、統治のしくみの概要を学ぶ。 |
15 | 猪瀬 貴道 | まとめ | まとめ |
日本国憲法における人権保障に関する規定ついて基本的知識を修得する。さまざまな人権の意味や内容について理解する。それらの基本的知識に基づいて憲法による人権保障の意義や課題について、歴史的経緯や裁判で判断された事例などを正確に踏まえて考察して、論理的・説得的に説明できる。
「LMSにおける課題(小テスト)」(30%)および「期末試験」(70%)により評価する。期末試験については、憲法による人権保障の意義と課題について、この科目(授業および自己学修)を通して修得した知識に基づく問題、日本国憲法の人権規定の内容や意義、関連する裁判事例とその判決内容についての問題を出題する。以上を基本的な評価方法とした上で、各授業回コメントペーパーによる加点を行う。成績評価の方法は前年までと異なることがある。
憲法改正の議論が報道などで取り上げられることも増えています。憲法について知識をもう一度整理して自分の考えを持てるようになりましょう。授業をきっかけにして教員から教えてもらうだけではなく自ら積極的に学んでいきましょう。関連する内容を扱う科目として後期に開講する「日本国憲法B」のほか、「法律の役割A・B」「政治のしくみA・B」「経済のしくみA・B」などがあります。
この科目および同じ科目名の対面授業科目について、成績分布やLMS課題の提出状況などを個別の履修者を特定できない方法で比較分析して、分析結果を公表する可能性があります。
科目 | 教職免許法施行規則第66条の6に定める科目 |
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種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 | 定価(円) |
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教科書 | 『論点 日本国憲法―憲法を学ぶための基礎知識』(第2版) | 安念潤司・小山剛・青井未帆・宍戸常寿・山本龍彦 | 東京法令出版 | 2,860円 |
参考書 | 『憲法への招待』(新版) | 渋谷秀樹 | 岩波新書(岩波書店) | 924円 |
参考書 | その他の参考書については授業やLMSで紹介する。 | 円 |